メルマガnano2biz第22号をお届けします。
近くの梅林が青灰色の靄が掛かった様に見えます。よく見れば、ほころび始めたつぼみも散見されます。少し暖かくなった日差しの中で、花咲か爺さん(=灰撒き爺)とは、この様な開花前の梅や桜の木の姿が昔話になったものかなどとボーっと考えたりしています。こんな疑問も出てきました。花咲か爺さんの連れていた犬の名前は、「ぽち」だったのか、「しろ」だったのか・・・・・。 春も近いようです。
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nano2biz News |
◆技術開発動向
■人工ロジウムの開発に成功
〜価格は1/3に、性能はロジウムを凌駕〜
京大大学院理学研究科の北川宏教授らのグループは、自動車のマフラーなどに使われている高価なレアメタル「ロジウム」と同じ性質を持つ新たな合金を作ることに成功したと発表しました。ナノテクノロジー(超微細技術)を使い、比較的安価な2種類の金属を混ぜ合わせた。材料費の大幅な削減が見込めるといい、すでに自動車メーカーなどと実用化に向けた交渉を進めているとのことです。
ロジウムは、車の排ガスに含まれる窒素酸化物を取り除くために使われており、今回作製した「人工ロジウム」を使えば、同等以上の性能を確保でき、材料費は3分の1から10分の1ほどになるということです。
これまで、混ざり合うことはないとされていたパラジウムとルテニウムを、ナノメートルサイズ(ナノは10億分の1)の粒子にし、原子レベルで混ぜることで、ロジウムと同じ性質を持つ新たな合金を作ることに成功したものです。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2013_1/140122_1.htm
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140122/
■単層カーボンナノチューブと銅の複合材料で微細配線加工に成功
〜高電流に耐える高機能小型電子デバイスの配線が可能に〜
NEDOプロジェクトとして、単層CNT融合新材料研究開発機構(TASC)と(独)産業技術総合研究所(産総研)は、単層カーボンナノチューブと銅の複合材料を用いて、銅の100倍の電流を流すことが可能な微細配線を基板上に作製する技術を開発しました。
これにより、複雑な配線パターンの形成時でも、基板上で1μm以下の加工が可能になります。また、単層CNTと銅の複合材料は熱による断線が起きづらいため、信頼性に優れ高機能な車載用電子デバイスや微小なセンサーなどへの応用が期待できます。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140123_2/pr20140123_2.html
■有限長カーボンナノチューブ分子の幾何学指標
〜カーボンナノチューブの長さと充填率を定量する〜
東北大学の磯部寛之教授の研究グループは、有限長カーボンナノチューブ分子の新しい幾何学的指標を提案しました。これまでの幾何学的指標は、有限の長さと一義的な構造をもつ「分子性物質」としての指標を欠いていましたが、近年、有限長カーボンナノチューブ分子が登場し始めることで、新しい長さや原子・結合の充填率に関する指標の必要性が高まってきました。今回、提唱された新しい幾何学的指標は、分子性物質としての有限長カーボンナノチューブ分子に関する科学・技術の発展の基礎となることが期待されます。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140122-2/index.html
■ナノテクにより光触媒の性能を大幅に向上
〜光触媒の応用先拡大に期待〜
物材研高分子材料ユニットは、京都大学と共同研究で、ナノテクノロジーの光への利用で、可視光でも活性化できる光触媒材料の開発に成功しました。
二酸化チタン光触媒は、有害ガス等の分解で実用化されているが、太陽光に含まれる紫外光が僅かなため、太陽光を利用した水分解への応用までは至っていませんでした。
本研究では、二酸化チタン光触媒を、配列した金属ナノ粒子にナノメートル(程度に近接させて固定し、金属ナノ粒子間の微小な間隙で生じる強い光の非線形性を利用、これにより、太陽光の主成分である可視光を用いて、紫外光に相当する光励起を引き起こすことが可能となった。新たな光触媒の可視光照射時の反応速度が二酸化チタン単独の場合の6.5倍であることが分かった。
今回の成果は、二酸化チタン触媒を、光電極システムの薄膜電極材として利用したりすることで、水分解による水素製造や二酸化炭素の還元による燃料・資源の合成などへの応用を可能とし、有害化学物質の分解・除去にも利用できます。これらにより、実用化が始まっている光触媒の応用先の拡大が期待される。
http://www.nims.go.jp/news/press/2014/01/p2014011630.html
■微量のカーボンナノチューブでフッ素樹脂を高機能化
〜添加量は従来の1/1000、低コストの製造プロセスを確立〜
NEDOプロジェクトにおいて大陽日酸(株)は、カーボン材料とフッ素樹脂の複合材料の製造工程で独自のカーボンナノチューブを用いて、カーボンの添加量を従来の1/1000程度に抑えつつ、導電性・熱伝導性・機械特性を備えた高機能フッ素樹脂を開発しました。さらに、簡便かつ低コストの高機能フッ素樹脂製造プロセスを確立したことにより、従来と同等の製造コストを実現しました。
大陽日酸では、開発した高機能フッ素樹脂サンプル素材について、年間10tonの製造体制を確立し、2014年10月からのサンプル販売を開始する予定です。
今回の成果として、特に以下の2点があげられています。
〔1〕CNTを用いることにより従来の部材に比べて1/1000程度のカーボン材料添加量で、導電性・熱伝導性・機械特性を備えたフッ素樹脂の開発に成功
〔2〕工業向けの簡便かつ低コストなプロセスにより従来の導電性フッ素樹脂と同等コスト実現
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100244.html
◆イベント・セミナー等の紹介
■つくば共用研究施設の活用によるイノベーション創出
〜産総研・NIMS・筑波大学・KEKの共用研究施設説明会・見学ツアー〜
NBCI(TIA-nano推進協議会の事務局)とTIA-nano運営最高会議は、企業等によるTIA-nano共用研究施設の活用促進のため表題イベントを開催します。
是非、参加いただき、貴社の研究開発施設としてのご活用の検討をお願いします。
◇開催概要
日時:2014年2月18日(火)9:30 〜17:00
場所:つくば国際会議場(講演・説明会)& TIA-nanoの主要4機関(見学)
◇内容
(1)基調講演「これからの技術開発(orものづくり産業)」
@.文部科学省 研究振興局 参事官(ナノテクノロジー・物質・材料担当)前田 豊 氏
A.インテル株式会社 取締役 副社長 阿部 剛士 氏
(2)共用研究施設の説明「中小企業の方にも、分かり易く」
(3)施設見学「つくば4研究機関の共用研究施設を一度に見学」(バスツアー)
◇お申込み方法
詳しい内容とお申込みは、TIA-nanoのホームページからお願いします。
http://tia-nano.jp/events/2013/0218.html
■NBCI 「ナノ工業計測評価WG」 公開会議のお知らせ
〜講演「ISO/TC229におけるナノ材料の定義」と今年度活動成果と次年度活動計画報告〜
「ナノ工業計測評価WG」は、経済産業省の平成25年度工業標準化推進事業の支援を受け、NBCIを事務局として、NBCI会員と(社)日本粉体工業技術協会、(社)日本化学工業協会、カーボンブラック協会、(独)産業技術総合研究所等のナノテクノロジー関係機関の協力体制の基で、ナノ材料の工業計測評価方法を検討しています。
◇開催概要
日時:2014年2月18日(火)14時〜16時
場所:東京YWCA会館217会議室
http://www.tokyo.ywca.or.jp/map/kanda.html
参加費:無料
申込方法:氏名、社名、所属、連絡先TEL、E-mailを記載し、
事務局までお申し込みください。
宛先:平田:hirata@nbci.jp 加藤:kato@nbci.jp
◇アジェンダ
1)講演会 :「ISO/TC229におけるナノ材料の定義」
講演者:産業技術総合研究所 評価部 首席評価役 阿部 修治 様
2)平成25年度活動報告
3)平成26年度活動計画
■施設共用によるイノベーションの創出:平成25 年度微細加工ナノプラットフォームコンソーシアム(文部科学省委託事業)・低炭素研究ネットワーク 合同シンポジウム』
日 時:2014年3月6日(木)〜7日(金)
意見交換会/ポスターセッション:
3月6日(木)17:15〜19:30(会費:2,000円)
参加費:無料
場 所:京都大学 桂キャンパス ローム記念館
お問合せ・詳細
http://www.nims.go.jp/lcnet/events/hdfqf10000009rt3-att/a1389144388837.pdf
・参加登録が1月14日から開始になっています。
ご興味のある方は、お早めにお申込いただけますようお願いいたします。
http://nsn.kyoto-u.ac.jp/NanoFab_LCnet
■『材料分析技術としての個体NMRに期待すること』
〜文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業NIMS微細構造解析プラットフォーム〜
http://www.nims.go.jp/nmcp/event20140204.html
■第25回マイクロナノ先端技術交流会のご案内
開催日:2月14日(金)に開催します
内容:講演会「材料・工法が切り開く技術レイヤ縦断型MEMSの研究」
エレクトレット工法や圧電材料の新規技術を基点にデバイス、アプリケーション、そしてサービスの技術レイヤに繋げていく研究開発を進めておられる静岡大学橋口教授と東京大学年吉教授をお迎えして開催されます。
詳細、参加お申込:下記ホームページを参照ください。
http://mmc.la.coocan.jp/business/kouryuukai/kouryu-annai/
■第6回MemsONE技術交流会開催のご案内
MemsONEの普及およびユーザ様の支援を目的に毎年度1回開催されています。
開催日:2月4日
内容:MEMSに関連する新しい技術やプロセス、市場動向・予測に関する内容をとりあげ、MEMS関連の基調講演3件と解析事例紹介2件を予定しています。
詳細、参加お申込:下記ホームページを参照ください。
http://www.mmc.or.jp/mems-one/
■経済産業省・関東経済産業局から中小企業の方へお知らせ3件
(1)『中小企業投資促進税制』の上乗せ措置
「産業競争力強化法」は平成26年1月20日より施行され、『中小企業投資促進税制』の上乗せ措置は平成26年1月20日より使えるようになりました。
(特許料の軽減措置等に係る規定については、平成26年4月1日から施行)
http://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2014/140116zeisei.htm
◇本件についてのお問い合わせ先
中小企業庁
事業環境部 財務課
電話:03-3501-5803(直通)
(2)【中小企業・小規模事業者等向け】
「経営者保証に関するガイドラインおよび経済対策の説明会」の開催
@「経営者保証に関するガイドライン」
積極的な活用を通じて、融資慣行として浸透・定着していくことが重要と考えています。平成26年2月1日から適用(準備態勢が整った金融機関は先行適用)されます。
A「5兆円規模の経済対策」
平成25年度補正予算等(資金繰り支援、新ものづくり補助金等))についても、説明。
【開催概要】
・日時・場所: HPをご参照下さい
・参加費:無料・詳細、お申し込みは下記HPをご覧ください。
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/chusho/kinyuu/20140120keieishahosho_setsumeikai_kannai.html
◇本件についてのお問い合わせ先
関東経済産業局
産業部 中小企業金融課(担当:中村、鈴木)
電話:048-600-0425(直通)
(3)「地域金融機関の先進的な取組事例」
関東経済産業局では、先進的な事例をHPで順次紹介して行きます。
今回の事例紹介
◇常陽銀行の『技術提案型商談会を核とした地域ものづくり企業支援』
タイトル:技術提案型商談会を核とした地域ものづくり企業支援
支援事例:且O葉彫刻所(プラスチック金型・製品製造)
http://www.kanto.meti.go.jp/seisaku/banknet/torikumi_jirei.html
◇本件についてのお問い合わせ先
関東経済産業局
地域経済部 地域経済課 金融連携推進室
電話:048-600-0254(直通)
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