34号 2014/8/4(月)

メルマガ nano2biz 第34号をお届けします。

 暑い日が続いています。
 なぜか、このシーズンになるとラッパ状の花が多くなるようです。朝顔、夕顔、ペチュニア、木槿、ハイビスカス、ノウゼンカズラ、トランペットツリーなど。宮澤賢治風の「夏の暑さにも負けぬ」強い根性の花ではなく、毎日のように咲いては散る、RPG・リセット型の恬淡とした花が多いようです。

 暑い夏をやり過ごすには、早めに仕事を切り上げて、晩酌も控え目に、休養を十分に取り、リフレッシュするのが良いでしょう。しかし、こうも蒸し暑くては睡眠不足で、リセットはおろか、リフレッシュ(再生)できそうもありません…。

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nanobiz News
◆技術開発動向
多孔性金属錯体がパラジウムの性質を変えた
〜パラジウムの水素吸蔵量・吸蔵速度が2倍に向上〜

<概要>
 京都大学大学院理学研究科の北川 宏教授らの研究グループが,パラジウム金属(Pd)ナノ結晶の表面原子配列を精密にコントロールすることで、水素の吸蔵速度を変えることに成功しました。Pdナノ結晶を金属イオンと有機配位子からなる多孔性金属錯体で被覆すると、水素吸蔵量は被覆していないPdナノ結晶に比べて2倍になり,同時に,水素の吸蔵/放出速度も2倍になることを発見したと発表しました。
<今後の展開>
 開発されたハイブリッド材料は、電極触媒に用いることで高出力の燃料電池車の開発など、資源・エネルギー・環境問題を解決し、持続可能な社会実現に向けて貢献できるものと研究グループは期待しています。

http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2014/140710_2.htm
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140714/index.html


ナノクラスターを組み立てる新しい原子操作の手法を発見
〜単電子デバイスやナノ触媒を設計通りに創製することが可能に〜

<概要>
 ナノクラスターは数個から数百個の原子から構成され、単一原子ともマクロな固体とも異なる特性を持ち、その特性は構成原子数や元素により劇的に変化します。特に、基板表面上に固定されたナノクラスターは、単電子デバイスやナノ触媒などへの応用が期待されています。
大阪大学大学院工学系研究科の杉本 宜昭准教授らの研究グループが、板表面に吸着させた個々の原子を操作してナノクラスターを組み立てるための、新たな原子操作法を発見したと発表しました。
<今後の展開>
 研究グループでは、応用が期待されている単電子デバイス、ナノ磁石、ナノ触媒などの特性とナノクラスターの電子的、化学的性質との関係を詳細に調べ、新しい材料やデバイスの開発に結び付けたいとしています。

http://www.eng.osaka-u.ac.jp/ja/dat/news/1405300821_1.pdf


全可視光の利用と発生した水素・酸素の分離を同時に可能とする人工光合成システムの開発に成功

<概要>
 北海道大学電子科学研究所の三澤弘明教授、同大学大学院理学研究院の村越敬教授、首都大学東京大学院の井上晴夫特任教授らの共同研究グループが、従来の人工光合成で利用できなかった可視・近赤外光も利用可能な人工光合成システムを開発、従来とは異なる方法論で水素と酸素を分離して取り出すことに成功したと発表しました。
<今後の展開>
 本システムでは金属ナノ粒子が増感剤として作用するので、有機色素に比べ安定性が高く劣化も少なく、今後は、基板薄層化、助触媒の最適化などで効率向上を図り、可視光水分解システムの構築を進めるとのことです。
http://www.hokudai.ac.jp/news/140709_pr_es.pdf
http://www.tmu.ac.jp/news/topics/8018.html


「ナノジュース」が胃腸診断技術を高める
〜"Nanojuice" could improve how doctors examine the gut〜

<概要>
 米国ニューヨーク州立のバッファロー大学生物工学科のJonathan Lovell助教らの研究グループが、ナノ粒子を分散させた液体から成る「ナノジュース」を患者に飲ませて小腸の映像を観察する方法を開発したと発表しました。「ナノジュース」が小腸に到達すると、医者は人体に害のないレーザー光を照射して非侵襲(人体を痛めない)で器官をリアルタイムで観察できるとのことです。
低い背景雑音の下で、腸の中のナノ粒子(nanonaps)の分布を可視化し、リアルタイムで追跡できるため、小腸の形態に加えて蠕動運動までも可視化することに初めて成功したと言います。この結果は小腸の診断だけでなく、蠕動異常に関連する病気の診断にも役立つとしています。
http://www.buffalo.edu/news/releases/2014/07/006.html
http://spectrum.ieee.org/nanoclast/biomedical/imaging/nanojuice-enables-tool-for-diagnosing-gastrointestinal-illnesses


世界で初めて「フォノン伝搬の電気的制御」に成功
〜MEMS技術を用いた動的フォノニック結晶の実現〜

<概要>
 日本電信電話株式会社はMEMS技術を用いた新しい構造のフォノニック結晶を作製し、弾性振動、いわゆるフォノンの伝搬を電気的に制御することに世界で初めて成功したと発表しました。
<今後の展開>
 NTT は、今後、この研究で実現したフォノンの流れを自在に制御する技術を基に、MEMSセンサの感度向上、信号増幅器、周波数変換器などへの展開といったMEMSデバイスの多機能化と共に、熱の流れを電圧で変調する全く新しい熱機能人工材料の創製にも役立つものと期待しています。
http://www.ntt.co.jp/news2014/1406/140613a.html


微生物が磁気微粒子の形を制御するメカニズムを解明

<概要>
 東京農工大学大学院 工学研究院 生命機能科学部門の新垣篤史 准教授らのグループが、磁性細菌の磁気微粒子合成に関わるタンパク質を解析し、磁性粒子結晶の形態制御メカニズムを明らかにしたと発表しました。
<今後の展開>
 本研究により、微生物がタンパク質により磁気微粒子の形を制御するメカニズムが初めて明らかにされ、これを人工的に利用すれば形態の制御された高品質な磁気微粒子の大量生産も可能になるとのことで、研究グループでは、今後、微生物のタンパク質の発現を制御することで、多様な形態の磁気微粒子を目的用途に合わせて自在に設計して作ることが可能になり、MRI造影剤、がん治療の磁気ハイパーサーミア用の材料、高感度免疫測定や遺伝子検査用の試薬、高密度磁気記録媒体用の材料、ビニルエーテル等のポリマー合成用の触媒などとして応用されることを期待しています。
http://www.tuat.ac.jp/disclosure/pressrelease/2014/20140704091144/index.html


超低消費電力な磁気書き込みを実現する新技術を開発
〜高周波電圧による磁化反転アシスト効果を初めて実証〜

<概要>
 産業技術総合研究所ナノスピントロニクス研究センター野ア 隆行 主任研究員は、高周波電圧をかけることによって、金属磁石材料の磁化の向きを反転させるために必要な磁界を小さくできる新しい技術(磁化反転アシスト技術)を開発しました。
<今後の展開>
 本研究の高周波電圧を印加による磁化の歳差運動を利用した磁化反転アシスト効果の実証が、次世代の超高密度磁気記録や不揮発性固体磁気メモリーの低消費電力化の促進に繋がるものと期待されています。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140630/pr20140630.html
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140630/index.html


原子1個の誤差も無い半導体量子ドットの作製に成功
〜原子ブロックで電子を閉じ込める超精密ナノ構造を実現〜

<概要>
 日本電信電話株式会社物性科学基礎研究所(NTT物性研)がドイツのポール・ドルーデ研究所及び米国のネイバル・リサーチ研究所との連携により、原子1個の誤差もない高精度で位置と構造が制御された量子ドットと、それを組み合わせた人工分子を作製することに成功したと発表しました。
<今後の展開>
 今後は、多数原子の集積で新たに現れる量子現象や、半導体ヘテロ構造と原子集積構造の相互作用を明らかにし、量子コンピュータ素子や次世代高機能半導体素子への応用を目指すとしています。
http://www.ntt.co.jp/news2014/1406/140627a.html
http://www.pdi-berlin.de/research/scientific-highlights/article/quantum-dots-with-single-atom-precision/

http://www.nrl.navy.mil/media/news-releases/2014/researchers-create-quantum-dots-with-single-atom-precision


分子量のばらつきがない高分子標準物質を開発
〜分子の長さがそろった人工高分子で高精度計測に貢献〜

<概要>
産業技術総合研究所ナノ材料計測科粒子計測研究室高橋かより主任研究員と、計量標準管理センター計量研修センター 衣笠晋一センター長は、人工的に作られた合成高分子であるにもかかわらず重合度が単一で分子量のばらつきがない認証標準物質を開発しました。
<今後の展開>
 今回開発した標準物質は、単一の重合度を持ち、分子量の分布がないことから、高分子のさまざまな測定の高精度化に寄与できます。例えば、高分子の分子量測定装置の校正や妥当性確認、分解能評価などを高精度に行うことができます。また、ナノ粒子計測の際の粒子径標準としても利用できます。さらに、粘度、密度、屈折率などの物性値の計測では、分子量の分布に対する補正が不要になるため、分子量依存性が詳らかでない物性値であっても換算に伴う不確かさが生じず、高精度なデータを得ることが可能となります。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140722/pr20140722.html


◆イベント・セミナー等の紹介
【ナノグリーン】 電池材料解析ワークショップの開催ご案内

 このたび、文部科学省次世代蓄電池研究加速プロジェクト「先端的低炭素化技術開発 特別重点領域次世代蓄電池(ALCA-SPRING)」における蓄電池基盤プラットフォームがNIMSを中心機関として設立されたのを機に、GREENは同プラットフォームと連携のもと「次世代蓄電池材料解析研究会」を開設し、下記の要領にて「電池材料解析ワークショップ」を開催いたします。
 本ワークショップでは、材料開発者と分析技術者が議論することで、電池材料の分析技術・解析技術の高度化を目指します。

開催要領
 日時: 2014年9月5日(金)13:00-17:00 (終了後に懇親会を開催)
 会場:(独)物質・材料研究機構[並木地区]
 講演会場:  NanoGREEN棟 オーディトリアム
 ポスター会場:   〃    ロビー
 参加費 : 無料(懇親会は有料)

要参加申込み 8/8締切
 主催 :(独)物質・材料研究機構 ナノ材料科学環境拠点(GREEN)
      先端的低炭素化技術開発 特別重点領域次世代蓄電池(ALCA-SPRING)
      http://www.nims.go.jp/GREEN/event/2014/20140728.html


【ナノテク共用装置】微細構造解析プラットフォーム
 2014年度第1回ワークショップ&大阪大学 超高圧電子顕微鏡施設見学会のお知らせ

参画10機関からの成果・支援例等の発表.特別講演は大阪大学大学院より北岡康夫教授

 【日時】 2014年9月1日(月)9:30〜16:40
       大阪大学 超高圧顕微鏡施設の見学会は8/31(日)15:30〜17:00
 【場所】千里ライフサイエンスセンター6F千里ルームA(大阪府豊中市新千里東町1-4-2)
 【主催】物質・材料研究機構 微細構造解析プラットフォーム(共催:大阪大学)
 【参加費】 無料
 【お問い合わせ】 物質・材料研究機構 微細構造解析プラットフォーム推進室
              
E-mail:acnp(at)nims.go.jp TEL:029-859-2139
 ※詳細は、以下をご参照ください.
 https://nanonet.go.jp/topics_insti/?action=common_download_main&upload_id=1875
 【参加登録】https://ssl.form-mailer.jp/fms/538bc057311449
 【参考URL】http://www.nims.go.jp/acnp/



MNOIC実習セミナー「センサ回路とシステム・シミュレータ実習」のご案内

 MNOICで利用可能な最先端装置を用いた実習形式の「MNOIC実習セミナー」の第三弾として、「センサ回路とシステム・シミュレータ実習」を8月21日に開催します。MEMSやセンサはスマートホンやタブレットの機能を決めるキーデバイスですが、その有効活用には、センサ特有の回路や利用方法を習得する必要があります。本実習はセンサの検出理論を理解して、最適な回路を設計する手法を短時間で習得するとともに、SPICEやMemsONEの回路機能シミュレータを実際に使い、理解を深めていきます。

【日時】 2014年8月21日
 詳細は以下のブログを参照ください。
http://www.nanomicro.biz/mems/2014/07/mnoic-8e21.html


NEDOの研究開発型ベンチャー企業向けの起業家支援プログラムの公募(予告)

プログラムの概要:
  公募により採択される個人やグループの起業家候補に対し、最大2年間、ビジネスプラン作成の助言や人件費・活動費などの総合的な支援を行います。起業家精神の旺盛なベンチャー企業がビジネスに専念できる環境を整え、10年後の日本経済をリードする"メガベンチャー"を育てます。

対象:技術シーズをもとに起業を志す方
 (スタートアップイノベーター:個人または2-3名のチーム)
支援内容
 採択されたスタートアップイノベーターに対しては、事業化を支援する専門人材(事業カタライザー)を担当として配し、ビジネスプラン作成の指導・助言を行うほか、一人あたり650万円/年を上限とした人件費、一チームあたり1,500万円/年を上限とした活動費(試作品製作、市場調査等)を最大2年間支援されます。
 また、新事業の買い手・投資元となる大企業・金融機関・ベンチャーキャピタル等に対してビジネスプランのプレゼンテーションを行い、マッチングを図るための発表会(デモ・デイ)の機会も提供されます。
http://www.nedo.go.jp/koubo/CA1_100067.html




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トムソン・ロイター社の2025年・未来予測

偶然、標記の未来予測を発見しましたので、ご紹介します。
予測手法はトムソン・ロイター社らしいのですが、感想をお聞かせください。
       
トムソン・ロイター社の2025年・未来予測


◆【連載!神田のカルチェラタン】

我が国の少子・高齢化対策を考える
 
我が国の財政収支の回復は一体、何時になるのか見当もつきませんが、今後とも少子・高齢化が進んでゆく以上、社会福祉の費用は削減して行かないことには何ともならない事は明白です。
そこで、対策を考えてみましたが、皆様はどのようにお考えですか。

       nano2biz Magazine34号 カルチェラタン 我が国の少子・高齢化対策を考える


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