35号 2014/8/22(金

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 携帯電話を見ながら、「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす」を思い出しました。モトローラ、ノキア、アップル、サムスン、中国の小米等この分野の覇権の変遷からの連想です。イノベーションのジレンマなんて説明の必要な言葉は止めて、日本ではやはり「盛者必衰」でしょう。今、アップル、サムスンが注目を集めています。

 ところで沙羅双樹はどんな木なのか、花なのか急に気になり、ネットで調べてみましたら、ナツツバキのことでも菩提樹でもありませんでした。幸いインドまで行かなくても植物園の温室で見られるとのことです。


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nanobiz News
◆技術開発動向
NEDOがナノ炭素材料の実用化を加速、新規研究開発に着手
〜革新的ナノ炭素材料の開発と安全性・特性評価技術を開発〜

<概要>
 NEDOは、これまでの単層カーボンナノチューブに加え、ナノ炭素材料全般の実用化を加速するため、16テーマの助成事業と3つの委託事業を新たに開始します。
2014年度から2016年度の3年間、革新的なナノ炭素材料を開発するとともに、安全性・分散体評価技術を開発することで、産業界における実用化の加速を目指し、研究開発を実施します。
カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等のナノ炭素材料は、非常に軽量であることから構造部材への応用が期待されるとともに、電気や熱の伝導率が高いことから、放熱部材への応用や、導電性材料への応用で、省エネルギー効果を高めることが期待しているとのことです。
個々の事業内容等は下記を参照ください。
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100302.html


わずか炭素2原子層厚のグラフェン膜を使った電子機械スイッチの動作原理検証に成功
〜究極の低消費電力エレクトロニクス応用に期待〜

<概要>
 北陸先端科学技術大学院大学マテリアルサイエンス研究科水田 博教授らは、2層グラフェン(原子2層厚の炭素シート)膜で作製した機械的に作動する電子機械スイッチの原理検証に成功したと発表しました。
<今後の展開>
 研究グループでは、これを発展させて、片持ち梁構造を向き合わせてペアのグラフェン梁NEMSでチャネルを構成した3端子型トランジスタの開発や、下部制御電極も梁と同材料のグラフェン製として信頼性向上を図ることを計画しています。また、開発中のグラフェンNEMSによる超高感度化学分子センサー回路に、本グラフェンNEMSスイッチをスリープトランジスタとして集積化してシステムの待機時消費電力をシャットアウトし、バッテリーの寿命を飛躍的に延ばすことを試みるとのことです。

http://www.jaist.ac.jp/news/press/2014/post-413.html


ペロブスカイト太陽電池中の電子の振る舞いを解明
〜高効率太陽電池の実現に道〜

<概要>
 京都大学化学研究所の山田 泰裕特定准教授らの研究グループが、新しい太陽電池材料として近年活発に研究が行われているハライド系有機−無機ハイブリッド型ペロブスカイト半導体(CH3NH3PbI3)中の電子の振る舞いの解明に成功したと発表しました。
<今後の展開>
 今後、研究グループは得られた知見を、より効率の良い太陽電池デバイスの設計に活用し、更には、他の光電子デバイスへの応用展開を期待しているとのことです。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2014/140801_2.htm


太陽電池の接合界面に相競合状態を持たせ光電変換効率を向上
〜多重キャリア生成により光電流が増幅、強相関太陽電池の実現へ前進〜

<概要>
 理化学研究所創発物性科学研究センター強相関界面研究グループの川ア 雅司グループディレクターらの研究グループが、強相関電子系酸化物と半導体のヘテロ接合界面に相競合状態を持たせた太陽電池を作製し、強相関電子系酸化物の化学組成などを調整すると、磁場によって太陽電池の光電変換効率を変化可能であることを発見し、このような磁場依存性を示す接合は、それ以外の接合に比べ光電変換効率が高いことを明らかにしたと発表しました。
今後の展開
 研究グループでは、今後得られた知見をもとに、さらに効率よく多重キャリア生成を起こせるように材料や素子構造を改良することによって、強相関太陽電池の実現につながることを期待しています。
http://www.riken.jp/pr/press/2014/20140801_1/


物体からの熱輻射を超高速に制御することに世界で初めて成功
〜望む波長の光のみを放射し、高速でON/OFFできる理想的な熱輻射光源の実現〜

<概要>
 京都大学大学院工学系研究科電子工学専攻 野田 進教授らが、物体からの熱輻射を超高速に制御することに成功したと発表した。
<今後の展開>
 研究グループでは、「熱輻射スペクトルの先鋭化」と「オン・オフの高速化」を同時に達成したことで、物体から外部へのエネルギー移動の高速制御が可能になり、この技術が赤外線を利用した環境・バイオ分野のセンシング・イメージング等に活用されることを期待しています。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2014/140728_1.htm


ナノテクノロジーとタイヤ:持続可能な産業と輸送
〜Nanotechnology and tyres: Greening industry and transport〜

<概要>
 OECD(経済協力開発機構)が公開した報告書は、タイヤ製造における新しいナノ材料の使用は、この技術の環境・健康・安全の潜在的リスクが注意深く管理されるならば、タイヤ産業の持続可能性(Sustainability)を促進し、車両(Vehicle)の環境影響低減に役立つとしています。
さらに報告書は、次のようなことを検討するよう勧告(Recommendation)を行っています。
(1) イノベーションに繋がるナノテクノロジーの実用化研究と共に、EHS研究の支援
(2) 利用可能なツール(コスト/利益評価など)を用いた社会経済的なナノテクノロジー応用の影響評価
(3) 様々な産業分野における、新たなナノテクノロジー導入に対する産官連携した対応
http://www.oecd-ilibrary.org/science-and-technology/nanotechnology-and-tyres_9789264209152-en
http://www.oecd.org/env/ehs/nanosafety/nanotechnology-tyres-greening-industry-and-transport.htm


分子量のばらつきがない高分子標準物質を開発
〜分子の長さがそろった人工高分子で高精度計測に貢献〜

<概要>
 産業技術総合研究所計測標準研究部門 ナノ材料計測科 粒子計測研究室高橋かより主任研究員らは、人工的に作られた合成高分子であるにもかかわらず重合度が単一で分子量のばらつきがない認証標準物質を開発したと発表しました。
<今後の展開>
 今回開発した標準物質は、単一の重合度を持ち、分子量の分布がないから、高分子のさまざまな測定の高精度化に寄与することができるとされています。例えば、高分子の分子量測定装置の校正や妥当性確認、分解能評価などを高精度に行うことができます。また、ナノ粒子計測の際の粒子径標準としても利用できます。さらに、粘度、密度、屈折率などの物性値の計測では、分子量依存性が詳らかでなくても、高精度なデータを得ることができるとしています。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140722/pr20140722.html


微生物の力で合成界面活性剤の使用量を大幅に低減
〜納豆菌が作り出す環状ペプチドは、微量でも界面活性剤の働きを増強〜

<概要>
 産業技術総合研究所環境化学技術研究部門の北本 大 研究部門長らと株式会社カネカは共同で、納豆菌が作り出す環状ペプチド(サーファクチン)によって、合成界面活性剤の使用量を100分の1程度にまで低減できることを発見しました。
<今後の展開>
 今後、このチームは、サーファクチンのさらなる機能評価を進め、さまざまな分野でのサーファクチンの活用を促進して行きます。また、新たな構造や特性を持つアミノ酸・ペプチド素材の探索・開発を続け、石油由来からバイオ由来の化学品への転換、バイオ由来の化学品の製造・利用促進に貢献していくとのことです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140731/pr20140731.html


◆イベント・セミナー等の紹介
第5回TIA-nano公開シンポジウム
〜我が国のイノベーションシステム構築にTIA-nanoの果たすべき役割〜

 つくばイノベーションアリーナ ナノテクノロジー拠点(TIA-nano)はつくば研究学園都市において、産業技術総合研究所、物質・材料研究機構、筑波大学、高エネルギー加速器研究機構が中核機関となり共同で運営する、日本最大のナノテクノロジー研究拠点です。TIA-nanoは21世紀のナノテクノロジー産業の創出を目指して、産官学が協同して最先端研究とその産業化および人材開発に取り組んでいます。
 同時に開催するポスターセッションでは、FIRSTをはじめとしたTIA-nanoを活用する研究プロジェクトの成果を一同に紹介いたします。

開催要領
 日時:2014年9月3日(水) 10:00−19:00
             講演会 10:00−17:20 (9:30開場)
             ポスターセッション 12:00−16:00 
             (コアタイム 12:15−13:30、15:30−16:00)
             意見交換会(会費制) 17:30−19:00

 場所:イイノホール&カンファレンスセンター(千代田区内幸町)
 主催:つくばイノベーションアリーナ ナノテクノロジー拠点(TIA-nano)
 参加費:無料 参加登録が必要です。
 意見交換会:会費制 3,000円 (参加登録が必要です。)
 詳細並びに参加登録はこちらからお願いします。
 http://tia-nano.jp/events/2014/0903.html


第14回 NIMSフォーラム「社会インフラを変える新材料 〜「使える技術」をあなたに〜」

 この社会インフラは、建物、道路、橋梁などの他、電力などのエネルギー、水資源、ITなど幅広い分野に亘るものと捉えられており、NIMSの関連した最新成果を11件の講演、60件以上のポスターで紹介されます。
 特に今年は、企業の皆様との連携相談用ブースを増設し、他にはないビジネスチャンスをご提供いたします。研究者と直接に対話していただける絶好の機会ですので、是非、ご活用いただきたいと思います。
 さらに、産業界をリードする企業トップの特別講演も予定されています。

@.「KAITEKIな材料」
   小林 喜光氏 株式会社三菱ケミカルホールディングス 代表取締役社長
A.「GEのグローバル・オープン・イノベーションへの取り組み」
  浅倉 眞司氏 ゼネラル・エレクトリック・インターナショナル・インク 
  グローバルリサーチセンター日本代表

開催要領
  日時:平成26年10月9日(木)10:00〜17:30(入場は9:30〜)
  会場:東京国際フォーラム ホールB7
  参加:無料
  http://www.nims.go.jp/nimsforum/


3次元造形&薄膜実践セミナー
 〜文部科学省委託事業である"ナノテクノロジープラットフォーム"微細加工プラットフォーム〜

 微細加工プラットフォームでは、マスクを使わずにデバイスを作製することができるマスクレス露光装置や原子層堆積装置(ALD)を始めとする様々な加工装置が参画する14実施機関に導入され、装置ラインアップの充実により利便性が格段に向上しました。本格運用に合わせて、この機会を多くの皆様に知っていただきたく、この度、3次元造形&薄膜実践セミナーを開催します。

セミナーの概要
@マイクロ・レンズやマイクロ・ロボットの作製を可能にするグレースケール露光やレーザー加工装置による3元造形技術と立体構造物への微細パターン形成技術について紹介
A様々な薄膜形成技術とそれらの応用について紹介
B各実施機関から支援事例の紹介
微細加工プラットフォームが保有する加工装置を使って、どのような研究・開発のサポートが可能かを理解いただきます。
C無料実習コース(アドバンストコースは有料)を併設

開催要領
 日時:2014年9月26日(金) 9:55〜17:30
 会場:東京工業大学(大岡山キャンパス) 
 大岡山西8号館E 情報理工学研究科大会議室(10階)
 参加費:無料
 定員:120名(先着順)
 申込先:
https://nanoworld.jp/npf/training/h26-3/
 詳細は、
http://nsn.kyoto-u.ac.jp/topic/h26-5.html



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