メルマガ nano2biz 第38号をお届けします。
大変ローカルな話で恐縮です。毎年のように咲いていた川原のコスモスの群生が、今年は見えません。赤、ピンク、白のパステルカラーのコスモスに代わって、キバナコスモスがちらほら短い雑草の中に咲いています。
近所の善意の人が夏場に「除草剤」を散布したに違いないと考えています。 除草剤といえば有用な園芸薬品、農薬のように聞こえます。しかし、その実はベトナム戦争で使われた「枯葉剤」だと言えば如何でしょう。除草剤を使えば便利・楽ですが、使いすぎれば生態系、環境、健康への影響が懸念されます。
兎角、人間は目先の利益を追いかけ、後で後悔することが多いようです。
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(コスモスを楽しみにしていた地域住民 筆)
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nano2biz News |
◆技術開発動向
■木材で最先端の航空機や自動車を作り出す
〜結晶性ナノファイバーからできた3次元多孔性高分子複合材料〜
偶々、京都大学 生存圏研究所 生物機能材料分野の矢野浩之教授のバイオ系ナノ材料の研究開発に関する文章を発見しましたのでそのURLを紹介します。
<概要> 研究されているセルロースナノファイバーは、鋼鉄の5倍以上の強度を誇る太さ4〜20ナノメートルのバイオナノファイバーであり、IT機器や自動車、医療機器など幅広い分野で実用化に向けた研究・開発が進められています。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41796
■熱を使った効率的な純スピン流生成に成功
〜電荷レスでワイヤレスなスピンデバイスの実現に一歩前進〜
<概要>
九州大学 学院理学研究院の木村崇 主幹教授らは、スピンを使った次世代の電子素子(デバイス)での応用が期待される「純スピン流」を、熱を使って効率的に生成することに成功しました。
<今後の展開>
本技術は、電子回路上の排熱を効率的に利用する新しい省エネデバイスへの応用に繋がり,マイクロ波照射による強磁性体の発熱現象を用いることで、ワイヤレス動作スピンデバイスも可能になると言います。さらに、環境中の微小な熱エネルギーを取出すエナジーハーベスティング技術への応用なども期待できるとしています。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20140919/index.html
http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2014/2014_09_18_3.pdf
■強誘電体メモリー、超高密度化に道
<概要>
東北大学大学院工学研究科 松本祐司教授、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学、米国・オークリッジ国立研究所の共同研究グループが、強誘電体材料の分極ドメインをナノ構造化することにより、走査型圧電応答顕微鏡(PFM)を用いて、分極自由回転状態の書き込みと読み込みに成功したと発表しました。
<今後の展開>
本研究成果は、現在使われている強誘電体メモリーの記録密度を大幅に向上させる可能性を有すると共に、ナノレベルで分極構造を制御することで、強誘電体の新たな物性・機能を引き出せることを示すなど、材料科学分野にも大きなインパクトをもたらすことが期待されるとしています。
今後は、ナノ相分離界面でのストレインと分極ドメイン構造、その結果得られる分極軸の自由回転との関係を実験的に明らにし、分極軸自由回転現象を説明する理論を構築するとのことです。
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2014/09/press20140919-02.html
■二種類の原子が交互に並んだ原子の鎖を初めて合成
〜次世代ナノ材料開発の新たな一歩〜
<概要>
産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センターの末永和知 首席研究員とカーボン計測評価チームの千賀亮典 研究員が、カーボンナノチューブ内部の空間を利用して二種類の元素が交互に並んだ原子の鎖を合成し、その構造を原子レベルで解析したと発表しました。
<今後の展開>
今後、この成果をきっかけに他の元素の組み合わせについても研究が進めば、新たな材料開発やデバイス応用につながる可能性があり、さらなる微細化・集積化が求められるデバイス用の次世代材料としても期待されるとのことです。 研究グループでは、本技術をCsI以外の他の材料にも応用し、さまざまな元素を組み合わせた新たな材料の開発にも取り組む予定とのことです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140916/pr20140916.html
■排ガス中の二酸化炭素を膜でキャッチすることによる空気洗浄技術
〜優れたガスの透過性とガス選択性を備えた膜を開発〜
<概要>
京都大学物質−細胞統合システム拠点のイーサン・シバニア准教授らの研究グループが、マイクロポーラスポリマーと呼ばれる材料に特殊な熱処理を施し架橋構造を形成することで、世界最高性能のガス分離膜材料を作製することに成功し、従来用いられているガス分離ポリマー膜に比べて、ガス透過速度が約100倍、ガス選択分離度も約2倍という極めて優れた性能を示したと発表しました。
<今後の展開>
研究グループは、高いガス透過速度とガス選択分離率を生かして、CO2/N2分離による火力発電や鉄鋼などの排ガスのCO2回収、O2/N2分離による火力発電や自動車エンジンの燃費向上、H2/O2分離による水電解による水素製造、CO2/CH4分離による天然ガス中のCO2除去,ガスセンサー、リチウム空気電池のO2透過膜、CO2混合細胞培養装置など、多方面への応用を期待しています。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/140910_1.html
■ジグザグ型グラフェンナノリボンの作製に成功
〜グラフェンナノリボンの実用化に一歩前進〜
<概要>
東北大学原子分子材料科学高等研究機構のPatrick Han助教、一杉太郎 准教授らは、分子合成によってグラフェンのエッジ形状を制御することにより、グザグ型のエッジ構造を有するグラフェンの作製に世界で初めて成功したと発表しました。
<今後の展開>
本成果によって、グラフェンのエッジの形状による物性の違いを検証するなどの研究を進めることが可能となり、新規エレクトロニクスデバイスやスピントロニクスデバイスの創製および高い電気伝導性と熱伝導性を用いた集積回路配線材料の応用等の進展が期待されています。また、様々な長さ、幅、エッジ形状を有するグラフェンナノリボンの合成により、新規物性の開拓と実用化研究に取り組んで行く予定とのことです。
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2014/09/press20140909-01.html
■異素材との高い熱接着性を実現した高機能PPSフィルムを開発
<概要>
東レ株式会社は同種素材ばかりでなく金属や繊維シートのような異素材とも熱接着性が良好な、高機能PPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルムを開発したと発表しました。PPSフィルムの接着には一般的に接着剤が使用されますが、強度が不足したり耐熱性・耐久性が劣ったりしますので、PPSフィルムを材料本来の特性を生かすような用途に使えないという問題がありました。
<今後の展開>
この新しいPPSフィルムは、主に異素材との熱ラミネートによる複合材として、ハイブリッド自動車や電気自動車のモータ絶縁材料、リチウムイオン電池材料、燃料電池材料などへの適用が期待されています。東レは、2015年からの試験販売に向けて早期に量産技術の確立を目指すとのことです。
http://www.toray.co.jp/news/plastics/detail.html?key=F0A0E2F078D7F93149257D4D0006BAB0
■シリコンを用いたスピントランジスタの室温動作を世界に先駆けて実現
〜半導体スピントロニクスにおける重要なマイルストーンを実現〜
<概要>
京都大学大学院工学研究科電子工学専攻 白石誠司教は、TDK株式会社、秋田県産業技術センターと共同で、現在のCMOS(相補型金属酸化膜半導体)トランジスタの抱える技術的限界を突破できる次世代の情報デバイスとも言えるスピンMOSトランジスタの室温動作に世界で初めて成功したと発表しました。
<今後の展開>
次のマイルストーンはスピンMOSFETを組合せた論理システムなどの実現であるとしています。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2014/140918_1.htm
■固体高分子形燃料電池の白金使用量削減に成功
〜コスト削減による燃料電池の普及を加速〜
<概要>
九州大学大学院工学研究院の中嶋直敏 教授らの研究グループが、燃料電池セルに使用する白金ナノ粒子の粒子径を小さくし担持密度を下げることにより、白金使用量をこれまでの1/10に削減することに成功したと発表しました。
<今後の展開>
一般に白金粒子の粒径を小さくすると表面が不安定化して凝集しやすくなるが、「ナノ積層技術」によれば白金粒子が導電性カーボンにしっかりと付着し、かつ白金粒子間の距離も離れているため凝集が起こりにくく、劣化の進行が遅いとのことです。研究グループでは、本研究成果による白金量削減のみならず、白金触媒を使用する高分子形固体燃料電池の寿命向上効果による低コスト化の可能性にも期待しています。
http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2014/2014_09_03.pdf
◆イベント・セミナー等の紹介
■NBCI(公開)講演会開催
〜ナノ計測ソリューションコンソーシアムの現状と今後〜
NBCI(一般社団法人ナノテクノロジービジネス推進協議会)では、経済産業省平成26年度工業標準化推進事業委託事業として工業標準化活動を進めております。今般、その活動の一環として以下の講演会を開催します
□開催概要
日時:2014年10月21日(火)13:00〜14:30
場所:東京YWCA会館内217会議室 アクセス情報
内容:「ナノ材料の産業利用を支える計測ソリューション開発コンソーシアム」
コンソーシアム活動の概要、成果報告及び今後の方向性
※コンソーシアム発足時の内容は、以下のURLよりご確認下さい。
http://www.aist.go.jp/aist_j/news/pr20130531.html
講演者:日本電子株式会社 経営戦略室 副室長
オープンイノベーション推進室 室長 杉沢 寿志 氏
参加:無料、事前申し込み
申込方法:NBCI事務局・平田へメールで申込み hirata@nbci.jp
締切:満席になり次第締め切ります
■第9回 ナノ材料科学環境拠点シンポジウム開催
〜グローバル市場で勝ち抜くための日本企業の技術開発戦略〜
ナノ材料科学環境拠点は、環境・エネルギー問題の解決に資する新しいシーズの提供を目指して、太陽光から出発するエネルギーフローに関わる太陽電池、光触媒、二次電池、燃料電池を出口課題とし、表面・界面の理論解析と先端的計測技術を融合させることで新材料の創出を目指して研究活動を行ってまいりました。
第9回目となるGREENシンポジウムは、“ハロゲン化金属ペロブスカイト型太陽電池の最先端”をテーマとして開催します。 有機無機ハイブリッドのペロブスカイト結晶を用いた太陽電池は、2009年に初めて報告されて以来、わずか5年間でそのエネルギー変換効率は19%を超え、その変換効率のみに着目すると、従来のシリコン太陽電池に迫る勢いがあり、さらにこの変換効率は低温・溶液プロセスで実現可能であるなど、注目すべき可能性を秘めた次世代太陽電池材料です。
□開催概要
日時:2015年1月7日(水)13:00-17:40
場所:一橋講堂(学術総合センター2階)アクセス情報
参加費:無料、但し、懇親会:参加費:3,000円
事前登録:申込締切:2014年12月22日(月)
主催: 物質・材料研究機構 ナノ材料科学環境拠点
http://www.nims.go.jp/GREEN/event/2015/20140918.html
■平成26年度 陽電子ビーム利用材料評価コンソーシアム研究会
& 第33回 産総研計測フロンティア研究部門公開セミナー
& ナノテクプラットフォーム微細構造解析プラットフォーム設備利用講習会
−革新的機能分離素材の評価−
□開催概要
主 催:独立行政法人 産業技術総合研究所 計測フロンティア研究部門
日 時:平成26年10月17日(金) 13時30分〜17時00分
場 所:産業技術総合研究所 つくば第2事業所 2-12棟 2階 第6会議室
参加費:無料(懇親会:3,000円)
事前登録:要(下記宛先にご連絡下さい.)
申込み・問合せ先:陽電子ビーム利用材料評価コンソーシアム事務局
E-mail: sayuri.yamauchi[アット]aist.go.jp
https://unit.aist.go.jp/riif/ja/event/seminar141017.html
■第28回マイクロナノ先端技術交流会開催のご案内(10/16)
今回は、「原子時計の動向とチップスケールへの最新の取り組み」と題し、原子時計の現状と小型・安価に向けた取り組みについて産業技術総合研究所の高見沢先生と首都大学東京の五箇先生にご紹介いただき、今後の展開について義論いたします。
※詳細や申込は以下をご参照ください。
http://www.nanomicro.biz/mems/2014/09/28-43ed.html
nano2biz Magazine |
◆TIA-nano公開シンポジウムのパネルディスカッション総括
2014年9月3日に開催されたTIA-nano公開シンポジウムのパネルディスカッションを傍聴してきました。
パネルはTIA-nanoを外部利用者代表と内部4機関代表の掛け合い形式、かつ、パネリストの自由・活発な議論で大変面白かったのですが、話が多岐にわたりましたので、改めて別添ファイルに総括、整理してみました。
多少、文章を追加させていただきましたが、議論はTIA-nanoの改革に止まらず、我が国のイノベーション戦略に通じる、示唆に富む内容でした。
TIA-nano公開シンポジウムのパネルディスカッション総括
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