39号 2014/10/17(金

メルマガ nano2biz 第39号をお届けします。

 セイダカアワダチソウって覚えておられますか?名前のとおりに背の高い、黄色い花をつけた如何にも精力旺盛と言う感じのあの外来植物です。ここ数年、存在感が無く、また、ススキの時代に戻ってきたのかと思っていましたが、よく川原の土手や叢をよく見ると小さくなって、生き延びていました。

 この原因をネットで調べてみましたら、Wikipediaに自らが土の養分を吸いすぎて土地が痩せてしまうのが主因のように書いてありました。

 植物の世界にも盛者必衰がありました。

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nanobiz News
◆技術開発動向
光強度の増加とともに吸収効率が向上する材料を開発
〜弱い白色非コヒーレント光で大きな逆飽和吸収〜

<概要>
 東京工業大学大学院理工学研究科の平田修造助教とバッハ・マーティン教授らが、太陽光などの弱い非コヒーレント連続光でも光の照射強度が強くなるに従い、吸光度が大きく増加する材料の開発に成功したと発表しました。
<今後の展開>
 研究グループでは、本成果は逆過飽和吸収体の応用を大きく拡張する可能性を示すとして、屋外のような明るい場所でより発色する色剤、スキャナーの強い光で読み取り時に発色することで偽造を防止するような紙媒体、ポータブルのレーザーポインターの光線から目を守るコンタクトレンズ、日差しの強い場合に自動的に遮光してくれるスマートウィンドウなどに応用されることを期待しています。

http://www.titech.ac.jp/news/2014/028654.html


99%純度の半導体性単層カーボンナノチューブを選択的に分離する“脱着型可溶化剤”の創製
〜ダイナミック超分子配位化学に基づき開発した「分解-脱着型」高効率半導体性ナノチューブ分離剤〜

<概要>
 九州大学大学院工学研究院/カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)の中嶋直敏教授らの研究グループが、半導体性カーボンナノチューブ(CNT)を選択的に高濃度で分離したのち、ナノチューブから綺麗に剥がせる可溶化剤を開発したと発表しました。
<今後の展開>
 研究グループは、可溶化剤と半導体性単層CNTの可溶化機構の科学的な解明が進み、同様なプロセスで、金属性CNTの分離や高純度半導体単層CNTの工業的大量生産が可能になると期待しています。

http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2014/2014_10_01_2.pdf
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20141003/index.html



最小のダイヤモンド状の極めて細いナノ糸 Smallest Possible Diamonds Form Ultra-thin Nanothreads
〜液体ベンゼンを加圧することによりダイヤモンド糸の作製〜

<概要>
 
米国ペンシルバニア州立大学のJohn V. Badding教授らの研究チームが、液体のベンゼン(C6H6)に圧力を加えることにより、現在最も強度の高いナノチューブや高強度ポリマーよりも強度と剛性の大きい、鎖状に規則的に集合した極めて細いネックレスのような「ダイヤモンド・ナノ糸」を作製したと発表しました。
<今後の展開>
 研究チームは、より完璧なダイヤモンド・ナノ糸の開発および産業用へのスケールアップ技術の研究を進めるとしています。また、非常に強く、剛性で、軽いことから、自動車などの省エネルギー材料に、更には、SFのアイデアである「宇宙エレベーター」の建造を可能にするケーブルの製造に期待できるとしています。
http://science.psu.edu/news-and-events/2014-news/Badding9-2014
http://www.scientificamerican.com/article/liquid-benzene-squeezed-to-form-diamond-nanothreads/
http://www.ibtimes.co.uk/space-elevator-could-now-be-possible-new-diamond-nanothread-invention-1467378


運動や記憶を制御する受容体の巧みな分子内部運動の1分子観察に成功!
〜アロステリック創薬に向けたX線計測技術の樹立〜

<概要>
 東京大学大学院新領域創成科学研究科の佐々木裕次教授らの研究グループが、筋肉運動や記憶・学習を制御する極めて注目度の高いタンパク質「ニコチン性アセチルコリン受容体」1分子の3次元分子内部運動を、100マイクロ秒(100μs)の時分解能で、かつピコメートル(原子直径の1/100の長さ、pm)の精度で、動画として観察することに世界で初めて成功したと発表しました。
今後の展開
 DXTは、それほど特殊な分子操作なく、すべての分子内部動態の主要部位において、1分子動画計測を可能とし、分子内部動態情報の取得が必須のアロステリック創薬に貢献することが期待されています。
http://www.k.u-tokyo.ac.jp/info/entry/22_entry328/

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20140916_2/pr20140916_2.html

http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2014/140916/


■気相からの丸いカゴ状のシリコンナノ物質の合成、薄膜化に成功
〜新材料創製やエレクトロニクスへの応用に期待〜

<概要>
 慶應義塾大学理工学部の中嶋敦教授らの研究グループは、規則的に並んだシリコン原子が、中心の金属原子を丸くカゴ状に取り囲む、新たなナノ物質「金属内包シリコンナノクラスター」を気相合成し、固体表面上で薄膜化する技術を開発しました。
今後の展開
 この成果は、ナノクラスターを基本単位として新たな機能材料や超高集積光・電子デバイスを実現するための基盤技術として利用価値が高いと考えられます。
http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2014/osa3qr000000bdre.html
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20141008/index.html


◆イベント・セミナー等の紹介
関東経済産業局/埼玉県:「第3回ナノカーボン先端技術交流会」開催(10月23日)

 ナノカーボンプロジェクトに興味のある全国の企業等を対象とした説明会が開催されます。

◇内容
 ・有限会社スミタ化学技術研究所 代表取締役 角田裕三 氏
  「広がるカーボンナノチューブの実用化と夢への挑戦」
 
NEDO 電子・材料・ナノテクノロジー部 主査 賀川昌俊 氏
   「ナノカーボン材料の研究開発におけるNEDOの取組」

 ・住友精密工業株式会社 研究部 伊藤洋平 氏
  「高熱伝導性複合材料の開発とその応用」
 ・アルプス電気株式会社 材料技術部 主任技師 高橋功 氏
  「ナノカーボンを用いた高分子アクチュエータ実用化の取組」
 ・ナノサミット株式会社 取締役 冨田順 氏
  「カーボンナノチューブの実用化時代」
開催要領
 日時:平成
26年10月23日(木) 14時30分〜17時30分
      【講演会】 14時30分〜
      【懇親会】 16時30分〜

 場所:新都心ビジネス交流プラザ 4階会議室
    
JR北与野駅より徒歩1分、JRさいたま新都心駅より徒歩8分

 参加費:無料(但し、懇親会1,000円)
 申込方法:申込書(Wordファイル、PDFファイル)に
      必要事項を御記入のうえ、FAXまたはE-mailにて、
      下記まで御送信ください。
 お申込み先・お問い合わせ先
      埼玉県 産業労働部 産業支援課 先端産業担当
        
FAX:048−830−4813
        E-mail:a3770-08@pref.saitama.lg.jp
        http://www.pref.saitama.lg.jp/page/nanocarbon141023.html



微細加工実践セミナー:講義(11/13)と実習(11/12~14)

 文部科学省委託事業である“ナノテクノロジープラットフォーム”の一環として、微細加工実践セミナーを開催します。産学官の研究者に、超微細加工に関する装置やその利用例を学習する場と、それらの技術を実地に習得する機会をご提供させていただき、ナノテクノロジーにおける技術力向上のための継続教育に貢献することを目指しています。
本セミナーでは、微細加工とその関連技術の概論を電子ビーム描画、反応性イオンエッチング、微細加工の応用事例(医療分野と計測・分析)のテーマで分かりやすく解説するとともに、ナノプロセシング施設における微細加工支援事例をご紹介することで、より具体的なイメージが持てるような構成になっています。

講義:平成26年11月13日(木)
 <講義内容>
   ・電子線描画技術(EB描画)
   ・プラズマエッチング
   ・ICP-RIEを用いたエッチング事例紹介
   ・微細加工技術の医療応用
   ・計測分析における微細加工の役割と事例紹介
   ・FIBを用いた微細加工事例紹介
実習:平成26年11月12日(水)〜14日(金)
 <実習内容>
   ・電子線描画技術(EB描画)
   ・ドライエッチング技術(RIE)
   ・集束イオンビーム加工・観察技術
費用:無料
本セミナーの詳細およびお申込み
   *お申込みに際しては、<NBCIからの紹介>をご選択ください。
   
https://nanoworld.jp/npf/training/h26-4/



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◆【連載!神田のカルチェラタン】

末世から抜け出す『イノベーション』〜

 
地震、ゲリラ豪雨、火山爆発等々、打ち続く災害は天罰か天の警告か。
我が国は「失われた
20年」の呪縛からから、まだ抜け出せないでいる様です。この20年に失ったのは、経済成長だけでしょうか。
もっと大事なものを失ったから、20年も停滞
しているのではないでしょうか。

       nano2biz Magazine39号 カルチェラタン  末世から抜け出す『イノベーション』
 


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