メルマガ nano2biz 第40号をお届けします。
ガソリンの小売価格が種々の割引後150円/L程度になっていました。
円安為替の影響で気付かなかったのですが、今年前半100ドル/バレル前後だったWTI原油価格は下落を続け、10月中旬には80ドル/バレル程度になっていました。世界経済減速による需要増鈍化と、アメリカのシェールオイル等の世界的原油生産増が原因のようです。
これで、原油価格連動値決めで高かったLNGの輸入価格も値下がりし、国の下期の経常収支も改善、柏崎刈羽原発再稼動なしでも来年3月期1250億円の経常黒字見通しの東電(10月25日の日経)の電気料金も値下げが期待されます?
少なくとも、灯油価格は下がって少し暖かい正月を迎えられそうです。
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nano2biz News |
◆技術開発動向
■生きた細胞を光エネルギーで操作する技術を開発
〜生体深部の細胞機能を光で制御する分子技術を目指して〜
<概要>
産業技術総合研究所ナノチューブ応用研究センター 高度機能CNTチーム 都 英次郎 主任研究員らは、フランス国立科学研究センター、ストラスブール大学、東北大学と共同で、生体透過性の高い近赤外レーザーにより熱と活性酸素種を発生する有機色素とカーボンナノホーンからなる分子複合体(ナノモジュレーター)を作製し、この分子複合体を用いて生きた細胞の機能を操作できる新たな光制御技術を開発しました。
<今後の展開>
今後は、この技術を応用して、単一の細胞レベルでの細胞機能解析技術を構築していく予定であり、パーキンソン病やアルツハイマー病などの脳疾患に関わる新しい治療法につながる周辺コア技術の開発にも取り組むとのことです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20141027_3/pr20141027_3.html
■真空断熱材に近い断熱性能を持ち切断や曲げが容易な複合断熱材
〜ポリプロピレン発泡体とシリカエアロゲルの複合化により実現〜
<概要>
産業技術総合研究所ナノシステム研究部門ノケミカルプロセス研究グループ依田 智研究グループ長らは、株式会社イノアックコーポレーションと共同で、真空断熱材に近い性能で、加工や曲面への対応が可能なポリプロピレンとシリカエアロゲルからなる複合断熱材を開発しました。
<今後の展開>
今後は低コストの製造プロセスを開発するとともに、高性能断熱材の普及展開を図るため、各種用途へのサンプル出荷に向けた体制作りを行い、今回開発した複合断熱材は断熱性能の安定性、ハンドリング性の良さから、断熱材の評価用の基準的な試料にできる可能性があり、基準試料用途への展開も検討するとのことです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20141027_2/pr20141027_2.html
■圧力を使って磁性材料の吸熱・放熱を室温で制御
〜フロン類が不要な冷凍技術の開発に新展開〜
<概要>
産業技術総合研究所グリーン磁性材料研究センター材料解析・開発チーム 藤田麻哉研究チーム長は、東北大学、名古屋大学の研究チームと、反強磁性体と呼ばれる外部に磁力を出さない磁性材料を用いて、圧力により磁性を制御して室温で吸熱・放熱を制御する技術を開発しました。さらに反強磁性に固有の性質が熱変化を増大することを発見しました。
<今後の展開>
今後は圧力熱量効果を効果的に利用できるデバイスのデザインを構築していき、特に、環境にやさしい磁気冷凍に応用する際、精密電子機器に隣接した用途など磁場以外の利用が好ましい場合に対応できるように、強磁性磁気冷凍と相補的な利用を検討していくとのことです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20141027/pr20141027.html
■太陽電池の電荷移動を妨げるメカニズムを見いだす
〜変換効率のさらなる向上を目指して〜
<概要>
産業技術総合研究所太陽光発電工学研究センター先端産業プロセス・低コスト化チーム 布村正太主任研究員とミシガン大学のStephen R. Forrest教授は、半導体薄膜の電荷の輸送特性やトラップ電荷を評価する手法を開発しました。この手法により有機薄膜太陽電池の発電層を評価して、電荷の移動を妨げる輸送障壁の起源がドナー分子とアクセプター分子の界面や結晶粒界であることを発見しました。
<今後の展開>
今回得られた知見をもとに、電荷の輸送特性に優れる発電層を作製し、太陽電池の変換効率のさらなる向上を目指すとのことです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20141017/pr20141017.html
■水素吸蔵特性をもつAg-Rh合金ナノ粒子の電子構造の初観測
〜Ag-Rh合金ナノ粒子がPdと同様の特性を有する謎の解明を目指して〜
<概要>
物質・材料研究機構中核機能部門の高輝度放射光ステーション坂田修身ステーション長と、京都大学大学院理学研究科北川宏教授、九州大学稲盛フロンティア研究センター古山通久教授からなる研究チームは、バルクでは合金にならず、また各々単独では水素吸蔵金属でもない銀-ロジウム(Ag-Rh)合金ナノ粒子が、なぜパラジウム(Pd)のように水素吸蔵特性を示すかを調べるため、その電子構造を初めて観測しました。
<今後の展開>
本研究成果から、Ag-Rh合金ナノ粒子は、その電子構造の観点からPdと同様に水素吸蔵のみならず有用な触媒となる可能性も示唆されます。今後、その性質と物性などに関して共同研究を進めて行く一方、本合金ナノ粒子の他、様々な新機能性物質が産業に展開できるよう、電子構造や原子配列に関するデータを提供し、データを活用した設計型物質・材料研究(マテリアルズ・インフォマティクス)の基盤を形成していくとのことです。
http://www.nims.go.jp/news/press/2014/10/201410160.html
■グーグル ナノテクで医療
〜がん発見に着床端末 ITと融合、早期診断〜
<概要>
グーグルは、がんなどの早期発見・治療に繋がる新しい診断技術の開発に乗り出す。ナノテクノロジーを活用し、健康状態を分子レベルで監視。病気のわずかな兆候も見逃さないようにする。具体的には、がん細胞など血液中の特定の細胞と結合する『ナノ粒子』とそれを測定するウェアラブル端末を組み合わせる。
<今後の展開>
同社では、日常生活の邪魔にならない方法で健康状態を常に監視し、病気の兆候をいち早く見つける技術を確立したいとしている。
(出典:日本経済新聞2014.10.29)
■LED、さらに進化 赤・緑・青 一つの素子で
〜Ag-Rh合金ナノ粒子がPdと同様の特性を有する謎の解明を目指して〜
<概要>
赤・緑・青の3原色を1つの素子で出す発光ダイオード(LED)の研究が進んでいる。
大阪大学はレアアース(希土類)を混ぜることで、窒化ガリウムの結晶で3色を出せる様にした。上智大学は生け花に使う剣山の様な構造を採用し、東京大学は基板に特殊な炭素素材(グラフェン)を使うことで様々な色を出すことに成功した。
<今後の展開>
超小型プロジェクターや様々な色が出せる照明など幅広い応用が見込めるという。
(出典:日本経済新聞2014.10.28)
■形状と細孔サイズを自在に変える炭素材料の開発
〜多孔性3次元グラフェンナノシートの新規合成〜
<概要>
京都大学物質−細胞統合システム拠点(iCeMS)のフランクリン・キム助教とジャンリ・ゾウ研究員のグループが、形状と細孔サイズを自在に変えることができる多孔性の3次元グラフェンナノシートとその簡便な合成方法を開発したと発表しました。
<今後の展開>
研究グループは、安価に製造でき、細孔サイズと形状が自在に得られるという特長から、本成果がバッテリー、燃料電池などのエネルギー貯蔵材料分野で活用されることを期待しています。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2014/141016_2.html
■ナノ構造化でシリコンの熱電変換効率を3倍以上向上させることに成功
〜無毒で安価な高効率熱電変換材料の実用化に大きく前進〜
<概要>
大阪大学大学院工学研究科 黒崎健准教授らの研究グループが、九州工業大学、大阪府立大学と共同で、シリコンをナノ構造化することにより、シリコンの熱電変換効率を3倍以上向上させることに成功したと発表しました。
<今後の展開>
本研究により無毒で資源量も豊富なSiで熱電変換効率の大幅な向上が達成されます。研究グループは、排熱などの低品位熱エネルギーを再利用する熱電発電技術の実用化が、今後加速することを期待しています。
http://www.eng.osaka-u.ac.jp/ja/dat/news/1413352543_1.pdf
■燃料電池電極のその場観察に初めて成功
〜放射光硬X線用いた雰囲気制御型光電子分光法の装置を開発〜
<概要>
自然科学研究機構 分子科学研究所の高木康多助教、横山利彦教授らの研究グループと電気通信大学の岩澤康裕教授らの研究グループ、名古屋大学の唯美津木教授およびJASRIの宇留賀朋哉研究員らの研究グループが共同で、大型放射光施設SPring-8でエネルギーの高い硬X線を用いる雰囲気制御型光電子分光装置を開発し、固体高分子形燃料電池における燃料電池動作中の触媒電極の硬X線光電子分光その場観測に成功したと発表しました。
<今後の展開>
研究グループは、今回開発した装置により、燃料電池電極における動作状態の触媒の情報が得られるようになれば、今後、革新的な電極触媒の開発につながるものと期待しています。
http://www.ims.ac.jp/news/2014/10/14_3014.html
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2014/141014/
■気相からの丸いカゴ状のシリコンナノ物質の合成,薄膜化に成功
〜新材料創製やエレクトロニクスへの応用に期待〜
<概要>
慶応義塾大学理工学部 中嶋敦教授らの研究グループが、規則的に並んだシリコン原子が中心の金属原子を丸くカゴ状に取り囲む、新たなナノ物質「金属内包シリコンナノクラスター」を合成し、薄膜化する技術を開発したと発表しました。
<今後の展開>
研究グループでは、本成果が金属内包シリコンナノクラスターを基本単位とした新たな機能材料や機能デバイス作製の基盤要素技術となり、今後さまざまなナノクラスターの固体材料化が進むことを期待しています。
http://www.keio.ac.jp/ja/press_release/2014/osa3qr000000bdre.html
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20141008/index.html
■世界初!ピザ型人工タンパク質の設計・製造に成功
〜ナノバイオテクノロジー中核部品の設計・製造方法確立に期待〜
<概要>
横浜市大大学院 生命医科学研究科のJeremy R. H. Tame教授と、理化学研究所ライフサイエンス技術基盤研究センターのKam Y.
J. Zhang博士、Arnout R. D. Voet博士らの共同研究グループが、コンピューターによる完全回転対称プロペラ型(愛称ピザ型)人工タンパク質設計方法を開発し、設計通りのタンパク質が実際に製造できることを証明したと発表しました。
<今後の展開>
このピザ型人工タンパク質は極めて小さく、熱に対する安定性も高いので、ナノバイオテクノロジー分野での応用が期待されています。また、今回開発した手法は、所望の対称性を持った様々なタンパク質を鋳型にしたナノサイズ構成要素創製に適しているとしています。
http://www.yokohama-cu.ac.jp/univ/pr/press/141008_res.html
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◆【連載!神田のカルチェラタン】
〜その革新的新製品の目指す市場は?〜
製造業企業は、いつも、イノベーション、インベーションと言っているようです。 努力の甲斐あってその願望が叶い、革新的新製品の上市が視野に入ってきたとして、さて、世界のどの国や地域に初期市場を求めればよいのでしょうか。
一つの考え方を述べさせていただきました。
是非、ご一緒にお考えください。ご意見お待ちしております。
nano2biz Magazine40号 カルチェラタン その革新的新製品の目指す市場は?
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