メルマガ nano2biz 第44号をお届けします。
明けまして、おめでとうございます。
昨年は、科学技術ではLEDのノーベル賞受賞やSTAP細胞事件などもありました。
国際面では、欧州経済の危機〜停滞、金融中心に米国好況、海洋進出に見られる中国の台頭、ロシアのウクライナ侵攻など緊張感が漂う一年でした。
国内では消費税上げ、再消費税上げの延期、衆院選挙、円安、原油安などもあり、色んな出来事が錯綜して、ただただ慌ただしい一年でした。
今年も多くの課題を抱えたまま新年を迎えています。
こんな時には、為替や株価などに一喜一憂することなく、ナノテクのイノベーションに専心したいものです。
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nano2biz News |
◆技術開発動向
■超低電圧で動作するトンネルトランジスタの高性能化と長寿命を実証
〜大規模なセンサーネットワークへの応用に期待〜
<概要>
産業技術総合研究所ナノエレクトロニクス研究部門シリコンナノデバイスグループの水林 亘 主任研究員らは、これからの省電力デバイスとして有望視されているトンネルトランジスタ(トンネルFET)の高性能化と長寿命を実証しました。
<今後の展開>
トンネルFETを大規模なセンサーネットワーク回路の駆動に使用すると、長寿命、コストの優位性、および、より小さな電圧の電源でも動かせるという点で、回路の設置や維持のコストを大幅に削減できると期待されています。
同研究グループでは今後、トンネルトランジスタのさらなる高性能化を行い、大規模センサーネットワーク用省電力デバイスへの置き換えを目指すとのことです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2014/pr20141216_2/pr20141216_2.html
■パナソニックと東北大学、高効率モータの世界最高水準の省エネ性を実証
<概要>
文部科学省の「東北発 素材技術先導プロジェクト」超低損失磁心材料技術領域(研究代表者 東北大学 牧野彰宏教授)は、パナソニック株式会社 モノづくり本部と共同で、世界で初めて新ナノ結晶合金NANOMET※を用いたモータを試作し、その省エネルギー性の実証に成功しました。
<今後の展開>
東北大学では、この度のパナソニックとのNANOMET(R)を用いた家電用モータの共同研究を継続して省エネルギー家電製品の実用化を目指し、ひいてはモータやトランス等の省エネルギー化を推進して、昨今のエネルギー問題解消に寄与できるものと考えています。
http://news.panasonic.com/press/topics.html
※ナノ結晶合金 NANOMET(R)
Fe-Si-B-P-Cu合金溶湯を急速凝固して得られたα-Feの核を含む不均一なアモルファス(非晶質)合金に対して適切な熱処理を加えて10ナノスケールレベルの結晶制御を行い、軟磁気特性を向上させたもの。NANOMETは登録商標。
■BNF(ベーマイトナノファイバー)エアロゲル
<概要>
京都大学大学院理学研究科の早瀬元博士らはこのたび、上に置いた物体があたかも空中に浮遊しているかのように見える透明・超軽量なエアロゲル「BNF(ベーマイトナノファイバー)エアロゲル」を開発したと発表しました。
http://www.aerogel.jp/
■多層構造を持つ低分子塗布型有機EL素子の開発に成功
〜印刷法でLED並の高効率白色有機ELパネル製造に道〜
<概要>
山形大学 大学院理工学研究科の城戸淳二教授、夫 勇進准教授らの研究グループは、多層構造を持つ低分子塗布型白色有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL)の開発に成功しました。本研究成果より、低分子有機EL材料の塗布により積層する技術を確立することができました。
<今後の展開>
低分子材料は、高分子材料よりも材料の高純度化や分子構造の制御が容易であるため、塗布型有機EL素子の高性能化に向けた材料開発が加速されることが期待されます。 今後、塗布により複数の有機ELユニットを積層した素子構造を形成することにより、高輝度時の発光効率の低下抑制や長寿命化を実現し、塗布型有機ELの早期実用化を目指すとのことです。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20141218/index.html
■生細胞中だけで発光する刺激応答型蛍光ナノ粒子を開発
〜蛍光造影による診断精度の向上や薬の放出を確認可能なDDS実現へ〜
<概要>
東京工業大学大学院理工学研究科の仁子陽輔 研究員らが、細胞外では発光せず細胞に取り込まれると発光する、新概念の蛍光性ナノ粒子を開発したと発表した。
<今後の展開>
本手法により、観察対象の細胞だけを選択的にイメージング(染色)することができ、細胞内に取り込まれていない蛍光粒子の発するノイズが存在しないため、バックグランド補正が不要で精度の高い観察を行うことが可能になりました。また、ミセルに薬を封入してドラッグデリバリーシステムに応用すれば、薬が患部に到達していることの確認と薬の放出する様子をリアルタイムで観察することが可能になります。さらに、薬が患部まで届いていることの確認ができ、薬の放出速度を蛍光発光の変化から算出することができれば、薬の処方量が最適化されて副作用を最小限に留めることも可能となるなど、研究は医学への応用へと進んでいるとのことです。
http://www.titech.ac.jp/news/2014/029354.html
■世界最小熱伝導率の結晶シリコン材料の実現
〜革新的廃熱発電にむけた熱電変換材料へ〜
<概要>
大阪大学大学院基礎工学研究科の中村芳明 准教授らが、結晶方位をそろえて極小なシリコン(Si)ナノドット結晶を連結した材料を形成する技術を開発し、これによって電気伝導率の悪化を抑えながら熱伝導率を巨視的なサイズの結晶であるバルクSiの約1/200まで低減することに成功し、世界最小値を得たと発表しました。
<今後の展開>
研究グループは、ナノ構造を用いた熱電変換高性能化が成功し、Siというユビキタス元素を用いた熱電変換材料が実現可能となり、熱電変換材料の社会普及につながることを期待しています。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20141210/index.html
■貴金属触媒を使わない水素発生電極の開発
〜多孔質グラフェンで、水素を低コストで大量に発生〜
<概要>
東北大学原子分子材料科学高等研究機構の伊藤良一助教、陳 明偉教授らが、電気分解による水素発生電極として、平板電極と比べて単位触媒体積当たりの表面積を500倍程度まで増大させ、かつ、窒素と硫黄を少量添加した「3次元構造のナノ多孔質グラフェン」の作製により、高性能な水素発生電極を開発したと発表した。
<今後の展開>
今後、研究グループでは、実用的は水素発生電極を作製するために少量のニッケルを添加して、白金を超える水素発生能力を持つ3次元多孔質グラフェンの開発やリチウム二次電池の電極材料の研究を進める予定とのことです。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20141209-2/index.html
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2014/12/press20141209-01.html
■加速度を超広域・高分解能で検知可能なMEMSセンサを開発
〜シリコンに換えて金を可動錘に適用し1G以下から20Gまでの加速度測定を可能に〜
<概要>
東京工業大学異種機能集積研究センターの益 一哉センター長、山根大輔助教らが、東京大学、NTTアドバンステクノロジ(株)と共同で、微小電気機械素子(MEMS:
Microelectromechanical Systems)加速度センサについて、可動錘に金を用いることにより、同等の分解能のシリコン製のMEMS加速度センサと比較して、センサ寸法を約10分の1に小型化することに成功し、これにより複数の超小型・高分解能のMEMS加速度センサを1チップに集積することで、重力加速度1G以下から20Gまでの超広域加速度のワンチップ検出を実現したと発表しました。
<今後の展開>
超広域・高分解能な加速度センサの実現は、特に、医療用の人体行動検知センサにおいてブレイクスルーであり、今後、研究グループは正確な人体構造解析に基づく医療診断やロボット開発へ向けた新デバイス・システム開発につながると期待しています。
http://www.titech.ac.jp/news/2014/029271.html
■分子の自己組織化の時間制御に世界で初めて成功
〜事前のプログラムどおり組織化が自律的に進む新材料を開発〜
<概要>
物質・材料研究機構先端的共通技術部門 高分子材料ユニットの杉安 和憲主任研究員らは、分子の側鎖を変更することで分子の自己組織化開始時間を制御し、事前のプログラムにしたがって自己組織化を進める手法を開発したと発表しました。
<今後の展開>
研究グループでは、今後、本研究を発展させて、光機能や電子機能を持つ分子にも応用し、望みのタイミングで発光させたり導電性を変化させたりするような、高度なシステムの構築を目指すとしています。
http://www.nims.go.jp/news/press/2014/11/201411260.html
◆イベント・セミナー等の紹介
■文部科学省 微細加工ナノプラットフォームコンソーシアム シンポジウム
〜共用施設から生まれるイノベーション〜
我が国では、生産技術の優位性によって産業競争力を長らく保ってきたにも関わらず、最近はその重要性が必ずしも十分に認識されなくなってきているように思えます。 本シンポジウムでは、欧米および我が国の国家レベルの生産技術研究開発プロジェクトに関わっている方々を招聘し、プロジェクトの狙い、体制、現状などを紹介して頂き、それを基に、産業競争力の原泉である高度生産技術研究開発に、我が国が今後どのように取り組むべきなのか、考えてみたいと思います。
□開催概要
日時:平成27 年3月4日(水)13:00〜17:30(17:30〜意見交換会)
会場:東京大学生産技術研究所(駒場)コンベンションホール
参加費:無料(事前登録制
但し、意見交換会2,000円(予定))
https://nanoworld.jp/npf/sympo2015/
■ナノ光応用分析実践セミナー
〜光を使ってナノを見る〜
光、レーザー、X線を使った各種の分析、評価、観測技術を習得できます。
さらに実機を使った分析・観察を無料で体験することができます(定員制)。
□開催概要
日時:2015年1月26日(月)講義(無料)
1月27・28日(一部は2月上旬)実習(無料
場所:産業技術総合研究所(茨城県つくば市)
詳細・お申し込み先:https://nanoworld.jp/npf/training/h26-5/
■神奈川科学技術アカデミーより教育講座のご案内
〜最先端の研究成果を交えた開発ヒント満載の講座〜
材料の分子、原子が持つ特徴や機能を引き出し、押し広げることで、電力を無駄なく使い、作るための新しい技術が生まれます。 本コースは、電力変換、照明、トライボロジー、新発想の燃料電池まで、ナノ・マイクロ領域の研究分野が生み出す新たな技術開発の可能性を知る講座です。
□開催概要
テーマ:「先端材料と微細加工技術で実現する省エネ、創エネコース」
―ナノ・マイクロの世界からエネルギーの消費を抑え、新たに生み出す―
日時:2015年1月15日(木)10:00〜17:40
定員:20名
会場:早稲田大学ナノテクノロジー研究センター(新宿区早稲田鶴巻町513)
受講料:9,000円(1日のみの実施)
お申し込み:http://www.newkast.or.jp/kyouiku/edu_h26/ed26_GRENE_7.html
□講義項目
・「エネルギー消費を抑える表面構造」講師:赤坂大樹氏 東京工業大学准教授
・「眼にも優しい省エネ技術」講師:武田隆史氏 物質・材料研究機構主任研究員
・「新材料、新発想のマイクロ燃料電池」講師:馬渡和真氏 東京大学准教授
・「高効率、低損失 新しいパワーデバイスで実現する省エネ・創エネ」
講師:小出康夫氏 物質・材料研究機構中核機能部門長
■NEDO「ナノ炭素材料応用製品の最新動向と将来の市場予測に関する検討」に係る調査実施体制の決定
□事業概要
ナノ炭素材料応用製品の国内外の技術開発の進展等最新の情報を把握すると共に、10年〜15年後の将来に予測される市場や、日本のナノ炭素材料産業の状況を想定したうえで、今後日本として取り組むべき技術について検討を行い、解決すべき課題を時間軸に落とし込んだロードマップが策定されます。約半年後のNEDOのHPの公開を期待しています。
□調査受託:沖コンサルティングソリューションズ株式会社
http://www.nedo.go.jp/koubo/EF3_100060.html
■「ナノテクノロジー・材料分野の技術ロードマップの策定に関する調査」に係る調査実施体制の決定
□事業概要
ナノテクノロジー・材料技術分野の国内外の政策や技術開発の進展等最新の情報を把握すると共に、10年〜15年後の将来に予測される社会や、日本のナノテクノロジー・材料産業の状況を想定したうえで、今後日本として取り組むべき技術について検討を行い、解決すべき課題を時間軸に落とし込んだロードマップが策定されます。約半年後のNEDOのHPの公開を期待しています。
□調査受託:みずほ情報総研株式会社
http://www.nedo.go.jp/koubo/EF3_100059.html
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