50号 2015/4/6(月)

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 やがて、今、満開の桜の花も散ります。早朝、散った花弁は綺麗に掃き清められ、新たな白い花弁が落ちてくるのを待つことになります。

 いつもなら和風総本家風に「日本って、すごいなー!」と考えるところですが、この日は「こんなことをしていいのかな。兎角、人間のすることは」と考えてしまいました。

 散った花弁は放置すれば肥やしにもなれば、土にもなるのに、掃除し、集めて袋に入れればゴミ、(護美?)、焼却すれば二酸化炭素も増えるし、肥料も撒かなければなりません。

 自然界は無駄がないのに、兎角、人間のすることは・・・・
 木の根元に戻すとか考えれば「日本って、すごい2


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nanobiz News
◆技術開発動向
人工光合成の水素製造で世界最高レベルのエネルギー変換効率2%を達成
〜化石資源に依存しない基幹化学品製造基盤技術を確立へ〜

<概要>
 
 NEDOと人工光合成化学プロセス技術研究組合は、NEDOの人工光合成プロジェクトにおいて、太陽エネルギーを利用した光触媒による水からの水素製造(人工光合成の一種)で世界最高レベルの太陽エネルギー変換効率2%を達成しました。
<今後の展開>
 今後、2021年度末を目標とするエネルギー変換効率10%の達成を目指すとともに、並行して開発を進めている分離膜技術と合成触媒技術を組み合わせることにより、新たな基幹化学品製造基盤技術を確立するとしています。

http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100372.html


わずか2ステップで2重らせん分子の簡単・便利な合成が可能に
〜二つのペンタセン分子が捻じれ合った状態で結合〜

<概要>
 大阪大学大学院工学研究科の関 修平教授、名古屋大学大学院工学研究科の八島 栄次教授らの共同研究チームが、N-ヘテロペンタセンを用いて一つの分子内に二つのらせんを有する分子(ダブルヘリセン)を簡便に合成する手法を開発したと発表しました。
<今後の展開>
 開発された手法は、一般的原料を用い、ヘリセン合成のための新たな置換基を導入する必要が無く、簡便で適用性も広いので、ヘリセン以外の非平面共役系分子の合成にも応用が可能とのことです。今後、研究チームでは、合成したダブルヘリセンの円偏光発光や電荷移動度特性などの固体状態における物性を明らかにし、有機ELや有機電界効果トランジスタなどへの応用を目指しており、また、ヘリセンは圧力によってらせんがバネのように伸縮する可能性があるため、圧力印加に伴う物性変化の検討や、さらに、らせんの巻き方が大きいダブルヘリセンの合成も目指すとのことです。
http://www.nagoya-u.ac.jp/about-nu/public-relations/researchinfo/upload_images/20150317_eng.pdf


ナノレベルで見た摩擦の秘密
〜超高圧・超低速の摩擦を動画で可視化,地震やナノテクの理解へ〜

<概要>
 東京大学生産技術研究所の石田 忠協力研究員と藤田博之教授、成蹊大学 坂村賢明 助教、東大大学院理学系研究科 合田圭介教授らの研究グループが、マイクロマシンを使って超高圧の下でのゆっくりした(超低速の)摩擦現象を実験的に再現し、その様子を電子顕微鏡で動画として観察できる装置を開発して、摩擦において接触部が融合して変形することを発見したと発表しました。
<今後の展開>
 本研究で開発した装置を使うことにより、非常に高い圧力のもとで行われるゆっくりした摩擦のメカニズムの解明が期待できるとのことで、マイクロマシン、ナノテクノロジーなどの工学技術における摩擦現象の解明に止まらず、地震などの自然現象の理解にも繋がるものと研究グループは期待しているとのことです。

http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/publication/topics/2015/20150306press1.pdf


円偏光近接場光学顕微鏡を用いてナノメートルスケールの領域へのスピン注入に成功
〜光学活性をもつ物質のナノレベル解析に貢献〜

<概要>
 
筑波大学数理物質系 野村晋太郎准教授らの研究グループが、産業技術総合研究所、NTT物性科学基礎研究所との共同研究により、円偏光近接場光学顕微鏡を開発し、光を用いてナノメートルスケールの領域へスピン偏極した電子を注入することに世界で初めて成功し、更に、ヘテロ接合構造をもつ半導体試料中に生じる“量子ホールカイラル端状態”に電子スピンの偏極状態の異なる領域があることを実空間で観察したと発表しました。
<今後の展開>
 本成果の光によって偏極した電子をナノメートル領域に注入することが可能になったことから、今後、消費電力を極限まで低減できると考えられているスピントロニクス素子やトポロジカル素子中のスピン偏極した電子の流れの空間分布の解明を促進し、それらの素子の開発に大きく貢献できると研究グループは考えています。また、円偏光近接場光学顕微鏡は、必ずしも超高真空中を要しないので、光学活性をもつタンパク質や糖類等の生体分子の研究にも広く応用されることを研究グループは期待しています。
http://www.tsukuba.ac.jp/wp-content/uploads/2ad94b2b88490a4f2ee1cc3ef86d191b.pdf


従来にない有機マグネシウム化合物の新触媒機能を明らかに
〜時代は身近な金属触媒へ〜

<概要>
 
大阪大学 大学院基礎工学研究科の真島 和志 教授、劒 隼人 准教授らの研究グループは、身近な元素の一つであるマグネシウムを用いて有機金属化合物を分子設計し、炭素−水素結合活性化を経た、触媒的な炭化水素の異性化反応を達成しました。これは、従来にない有機マグネシウム化合物の新しい触媒作用で、本研究で開発した金属触媒は、非常に安価で入手容易、かつ、毒性も極めて低いマグネシウムを含む有機金属化合物とのことです。
<今後の展開>
 今回の研究成果により、今後、次世代の半導体材料として、有機ELディスプレイなどの生活の中の身近な製品への応用が進められている有機半導体材料合成への展開に期待できます。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150401/index.html


アンモニア合成の大幅な省エネ化を可能にした新メカニズムを発見

<概要>
 東京工業大学の細野 秀雄 教授、原 亨和 教授、北野 政明 准教授らは、以前開発した常圧下で優れたアンモニア合成活性を持つルテニウム担持12CaO・7Al2O3エレクトライドを触媒に用いると、強固な窒素分子の切断が容易になり、アンモニア合成で速度の最も遅い律速段階が窒素分子の解離過程ではなく、窒素−水素結合形成過程となることを見いだしました。
<今後の展開>
 今回の成果により、アンモニア合成プロセスの省エネルギー化に向けた触媒開発の有力な手がかりが得られたといえ、今後、この結果を利用したさまざまな化学反応への応用が期待できるとのことです。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150330-2/index.html


トップダウンとボトムアッププロセスの融合によるグラフェンナノリボンの形成に成功
〜世界最薄のリボン!?〜

<概要>
 東京大学 生産技術研究所の竹内 昌治教授と李 源哲(リ ウォンチュル) 特任助教は、無機ナノマテリアルがグラフェン上に自発的に規則正しく整列する(自己組織化する)現象を応用して、単層グラフェンの帯状構造(以下、グラフェンナノリボン)を独自の手法で形成することに成功しました。
<今後の展開>
 ナノリボンは幅が約10nm、厚さが炭素原子1個分の極めて薄い帯状の構造体です。グラフェンナノリボンは、半導体デバイスやバイオセンサなどとして利用できる可能性があり、次世代の半導体素材として期待されているグラフェンの応用可能性を大きく広げるものとして期待されています。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150324/


分子技術を活用して「金」ナノ空間の制御に成功!
〜孔の大きさを自由に制御できる金ナノ多孔体を実現〜

<概要>
 
物質・材料研究機構)国際ナノアーキテクトニクス研究拠点山内悠輔独立研究者らは、国内外の研究機関との国際共同研究において、高分子を鋳型として活用することで、均一で規則的なナノ空間を持つ金ナノ多孔体の開発に成功しました。
<今後の展開>
 得られた金ナノ多孔体の細孔中には、特徴的な高強度電場が確認され、表面増強ラマン散乱(SERS)が観測されるなどの特徴を有しています。今後、分子センシングのためのSERS活性基板や電極触媒など、様々な応用が期待されています。さらに本技術は、金に留まらず、様々な金属・合金系に適用でき、またブロックコポリマーの分子サイズを変えることで、より広範囲で細孔径を制御することが可能なため、組成・構造の両面から用途にあった金属ナノ空間材料をテーラーメイドでデザインすることができるとのことです。
http://www.nims.go.jp/news/press/03/hdfqf1000006cnpe-att/p201503230.pdf


◆イベント・セミナー等の紹介
期末、期初だからか、気になるイベント開催等は少なくなっています。

■■
NEDO 平成27年度「低炭素社会を実現するナノ炭素材料実用化プロジェクト(助成事業)」に係る公募■■

既にご存知の方も多いとは思いますが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は平成27年3月12日、低炭素社会を実現するナノ炭素材料実用化プロジェクトのうち、研究開発項目(1)「ナノ炭素材料の実用化技術開発」を課題設定型の助成事業として、追加公募の上、実施すると発表しています。
http://www.nedo.go.jp/koubo/EF2_100072.html




 nanobiz Magazine
 

◆【連載!神田のカルチェラタン】

“Do you have a Dream?”

 “I have a dream” これはマルティン・ルーサー・キング・ジュニアの有名な言葉です。
 キング牧師のdreamは、「人種差別のない、自由と平等のアメリカ」ですが、ここでのdreamは「明るい日本の未来」です。この文章を書いたのは、日本のイノベーション活動が何を目指しているのか中々見えないことにあります。

 
※記名でこうした青い文章を書くのは、少々、照れ臭いものがあります。
  (編集長 馬田芳直)

 

   nano2biz Magazine50号 カルチェラタン  〜“Do you have a Dream?”〜 
 

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