56号 2015/6/25(木)

メルマガ nano2biz 第56号をお届けします。

 6月23日、先のセパ交流戦での17の負け越しが原因となって、セリーグの勝ち越し球団が消えるという珍事が起きています。

 交流戦を見ていて感じたことは、パは選手が個性豊かで、試合を楽しんでいるように見えました。一方で、セの選手は小粒で覇気が無い様に見えました。国内なのに、ベースボールと野球の違いを見たような気もしました。

 勝てば管理野球でもよいのかもしれませんが、プロ野球ファンはホームラン、160kmの剛速球や魔球、ファインプレイなど超人的なサプライズに酔い、応援に声を張り上げることで、一時でも現実逃避し、気分転換したいのです。逆に仕事や職場を思い起させるようでは、プロ、興行とは言えません。

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nanobiz News
◆技術開発動向
NEDOのナノ炭素材料を用いた革新的省エネ部材の創出に向け新たに6事業
〜エネルギーデバイスや超軽量導線など省エネ部材の実用化加速〜

 
ナノ炭素材料は、軽量、高強度、電気や熱の伝導性が極めて高いなど、多くの優れた特性を有しており、今までにない革新的な省エネ部材を生み出すことが期待されます。
 新エネルギー・産業技術開発機構(NEDO)が、ナノ炭素材料を利用した環境調和型エネルギーデバイスや超軽量導線など省エネ部材の実用化を加速するため、新たに6つの助成事業を開始するとのことです

 
採択テーマ/助成予定先
<ナノ炭素材料高耐熱・高熱伝導高分子複合部材の開発>
スーパーグロース法単層カーボンナノチューブを用いた超高耐久シール部材の開発、耐熱性と長期シール性のトレードオフの克服/日本ゼオン株式会社

<ナノ炭素材料高密度エネルギーデバイスの開発>
ナノ炭素材料を用いた高効率で実用的な有機薄膜太陽電池デバイスの開発/三菱化学株式会社
スーパーグロース法単層カーボンナノチューブを用いた高性能な熱発電モジュール及びデバイスの開発/日本ゼオン株式会社

<ナノ炭素材料軽量導線の開発>
カーボンナノチューブ導体を用いた超軽量導線の開発、導線として実用に耐え得るサンプルの完成/古河電気工業株式会社

<ナノ炭素材料大量生産技術の開発>
混合フラーレンの分離技術開発と実証試験、高付加価値フラーレンの安価な市場供給/昭和電工株式会社
循環型システムを組み込んだ
eDIPS法カーボンナノチューブ連続合成技術の開発、高純度かつ高品質なeDIPSカーボンナノチューブの普及/株式会社名城ナノカーボン
http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100400.html


太陽光を活用した高効率水蒸気発生材料の開発
〜多孔質グラフェンを用いた太陽熱エネルギーの高効率利用へ〜

<概要>
 東北大学原子分子材料科学高等研究機構の伊藤 良一助教、陳 明偉教授らは、3次元多孔質グラフェンを太陽熱温水器の集光材料に使用することで、太陽光の熱エネルギーを効率よく吸収し、さらにその熱エネルギーが局所的に集中することで、反射鏡やレンズ等の集光装置を用いることなく、水から水蒸気を発生させることに成功したものです。
<今後の展開>
 本材料を用いた太陽熱エネルギー吸収機構は、水の生成、汚染水浄化等の種々の用途に活用できる可能性があることから、今後は企業との連携も含め、太陽光利用拡大を目指してナノ多孔質グラフェンの大量生産の手法開発を模索したいとしています。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150617/index.html


電子顕微鏡の新機軸、半導体pn接合の界面電場観察に成功
〜デバイス・材料開発に拍車〜

<概要>
 東京大学 大学院工学系研究科 附属総合研究機構の柴田 直哉准教授らはオーストラリア・モナシュ大学のスコット フィンドレイ 博士、古河電気工業株式会社、日本電子株式会社(JEOL)と共同で、開発した分割型検出器を用いて、半導体pn接合界面の電場を世界で初めて直接可視化することに成功しました。
<今後の展開>
 本技術により、半導体デバイス中のpn接合の位置、形状、電場強度を詳細に解明できるようになれば、高性能な半導体デバイス開発に必須の精密かつ効率的なキャリア(電子、正孔)制御が可能となり、コンピューター、スマートフォン、LED、太陽電池などの性能向上や省エネ化へ大きく貢献することが期待されています。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150612/index.html


超分子マシンの運動を簡便な力学操作で制御することに成功
〜手の動きで分子を操ることができる界面技術〜

<概要>
 物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA) 超分子ユニット(ユニット長:有賀 克彦)の中西和嘉MANA研究員らは、ストラックライド大学(イギリス)のデヴィッド・チャン博士と共同で、分子マシン(機械的動きをする分子)が水面上で集まることを利用し、ごく小さい力学的エネルギーを使ってこれを簡単に動かせることを明らかにしました。
<今後の展開>
 本研究の成果は、センサー材料などへの応用を目指して研究されている様々な分子マシンを、力学的エネルギーにより動かす基盤技術となることが期待されます。

http://www.nims.go.jp/news/press/06/201506180.html


材料のみで血管新生を促進する組織接着性多孔膜を開発
〜高価な細胞増殖因子の添加が不要 医療費削減に期待〜

<概要>
 物質・材料研究機構 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA) 生体機能材料ユニットの田口哲志MANA研究者らは、細胞増殖因子を添加せずに、材料のみで新しい血管の形成(血管新生)を促進する組織接着性多孔膜を開発しました。
<今後の展開>
 高価で不活性化しやすい細胞増殖因子を使わないため、治療の質を下げずに、医療費の削減に貢献することが期待されます。今後、本研究の成果を下に医工連携研究を進め、再生医療分野および治療用デバイスへの展開を目指していくとのことです。
http://www.nims.go.jp/news/press/06/201506160.html


半導体ナノ粒子の発光が安定化するメカニズムを解明
〜個々の生体分子の観察に基づく創薬・診断技術の確立を目指して〜

<概要>
 産業技術総合研究所健康工学研究部門生体ナノ計測研究グループ バスデバン・ピライ・ビジュ 主任研究員、脇田 慎一 総括研究主幹(兼)研究グループ長らと、香川大学【工学部 中西 俊介 教授工学部長らと長岡技術科学大学物質・材料系 野坂 芳雄 名誉教授らは、半導体量子ドットと呼ばれる発光性の半導体ナノ粒子の退色機構を解明し、発光を安定化する有効な手法を提案しました。
これらの成果は、生きている細胞内で個々の分子の働きを研究する一分子生体イメージング技術への貢献が期待されています。
<今後の展開>
 今後は、いろいろのナノ材料からの間断のない発光を得ることを目的とし、電荷キャリアの緩和、オージェ・イオン化、表面欠陥、活性酸素の生成、酸化の間の関係を系統的に明らかにするため、他のナノ材料についても研究を進める予定であり、また、一分子レベルで間断のない発光に基づく生体イメージングを実現するため、半導体、有機材料、生体分子などを組み合わせたナノ生体複合体の開発を検討するとのことです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2015/nr20150610/nr20150610.html


結晶が光照射によって移動する現象を発見
〜光による液化と結晶化を利用〜

<概要>
 産業技術総合研究所電子光技術研究部門分子集積デバイスグループ則包 恭央 主任研究員らは、アゾベンゼンという単純な構造を持つ有機物質の結晶が、光照射によってガラス板の上を変形しながら移動する現象を発見し、さらに、垂直に立てたガラス板を垂直方向に上ることも確認しました。
<今後の展開>
 今回発見した、光で結晶が移動する現象の詳細なメカニズムの解明を目指し、また、物質や物体移動の自在制御やバルブなどの応用技術の開発に向けて、より速く移動する化合物や、より弱い光でも移動する化合物についての研究を行うとのことです。

http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150619/pr20150619.html


世界初!低エネルギーの光を高エネルギーの光に変換し再利用可能にする
〜“分子組織化フォトン・アップコンバージョン”技術の開発に成功!〜

<概要>
 九州大学大学院工学研究院/分子システム科学センターの君塚信夫主幹教授、楊井伸浩助教らの研究グループが、低エネルギーの光を高エネルギーの光に変換するフォトン・アップコンバージョン技術の実用化に必要な、高効率で、太陽光などの弱い光でも機能し、空気中で安定であるという3つの条件を満たす分子組織体を世界で初めて開発したと発表しました。
<今後の展開>
 将来、太陽電池や人工光合成の効率を高めるための画期的な方法論が生まれることが期待されています。

http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2015/2015_06_10.pdf


■マイクロとナノの複数の孔サイズを持つ多孔質材料の生産プロセスを確立
〜和紙を鋳型にした合金紙から高性能電極を作製〜

<概要>
 東北大学 原子分子材料科学高等研究機構の藤田 武志 准教授らが、太盛工業株式会社と共同で、マイクロメートルとナノメートルのそれぞれのレベルで多孔質(ポーラス)構造を持つ階層的多孔質電極の大量生産プロセスを確立したと発表しました。
<今後の展開>
 研究グループは、電池の電極、触媒など、化学物質の処理のための先端材料への応用展開を期待しています。

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150609/index.html
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2015/06/press20150609-01.html
https://www.taisei-kogyo.com/news/technology/2015060941.php


光が表面を散乱せずに伝わる新しいフォトニック結晶を発見
〜シリコンのみで実現可能 半導体技術との融合で新機能開発に期待〜

<概要>
 物質・材料研究機構の国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)の胡 暁主任研究員と呉 龍華NIMSジュニア研究員らのグループが、光の透過や屈折を制御するフォトニック結晶において、光を含む電磁波が表面のみを散乱することなく伝わる新しい原理を解明し、現在普及している半導体技術による情報処理と優れた情報伝播機能との融合によって、新規機能の開発に繋がることが期待されると発表しました。
<今後の展開>
 単純な円柱の配列を調整するだけでトポロジカル特性をもつフォトニック結晶が作製できるので、広く普及している半導体エレクトロニクスによる情報処理機能と、電磁波による情報伝播機能が集積でき、新規デバイス研究開発に新しい道が開かれるものと、研究グループは考えています。
http://www.nims.go.jp/news/press/06/201506080.html


「量子効果に見えない」奇妙な量子トンネル効果の発見
〜表面化学反応や宇宙における有機物の同位体組成の理解も〜

<概要>
 北海道大学低温科学研究所の研究グループが、大きな水素同位体効果が観測されない量子トンネル効果を発見したと発表しました。
<今後の展開>
「同位体効果の小さい」量子トンネル効果は、他の反応でも普遍的に存在している可能性があるとして、今後この量子トンネル効果を考慮することにより、多くの化学反応のメカニズムについて理解が深まることを期待しているとのことです。
http://www.hokudai.ac.jp/news/150603_lowtem_pr.pdf


高秩序な大面積分子集積膜の構築に成功
〜基材を選ばず、簡単な成膜法により均一な有機薄膜形成が実現〜

<概要>
 東京工業大学資源化学研究所の福島 孝典教授らの共同研究グループが、センチメートル(cm)規模の大面積でドメイン境界のない有機薄膜を形成することに成功したと発表しました。
<今後の展開>
 有機薄膜構成分子の配向や配列を完全に制御できれば、多様な高機能薄膜の開発が可能になると期待されています。
 本研究の大面積にわたる構造規則性を有する有機薄膜は、有機誘電体や有機トランジスタなどの開発に非常に有効であり、さらに、研究グループでは、トリプチセンに多様な機能性ユニットを付与して、電気的特性に加え、潤滑、親水性・撥水性など様々な機能を分子集積膜に組込むことも可能としています。
http://www.titech.ac.jp/news/2015/031452.html
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150605/index.html
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2015/150605/


超分子カーボン材料のパターン化による細胞の分化制御に成功
〜再生医療の実現にむけて、足場材料の大面積化を可能にする技術の開発〜

<概要>
 物質・材料研究機構の国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)超分子ユニットの南 皓輔研究員、有賀 克彦ユニット長と、生体機能材料ユニット 山崎 智彦MANA研究員らの研究グループが、炭素が60個集まった球状化合物材料のC60フラーレンの柱状結晶(ウイスカー)を用いて、(1)水面に浮かべ、(2)圧縮し、(3)基板に転写する、という3ステップの簡単な方法で、細胞培養の足場となる材料の表面にナノスケールでパターンを形成することに成功し、更に、この足場材料は筋芽細胞の成長と分化の制御が可能であることを実証したと発表しました。
<今後の展開>
 今後、研究グループは、本開発の足場材料の適用範囲を拡張し、神経細胞や骨細胞など他の細胞の分化誘導への応用、更に、iPS細胞を始めとする幹細胞へ展開するとのことです。
http://www.nims.go.jp/news/press/05/201506020.html


ロールツーロールでグラフェンを作る−先駆的量産化技術
How to make continuous rolls of graphene-Pioneer technique for mass-production

<概要>
 米国マサチューセッツ工科大学機械工学准教授 A. John Hart氏らとミシガン大学のグループが、同心円二重反応管(Concentric Tube、 CT)を用いた気相化学蒸着法(Chemical Vapor Deposition、CVD)を開発して、ロールツーロール(R2R)でグラフェンを作ることに成功したと発表しました。
<今後の展開>
 現在のグラフェンの作り方は、グラファイトの塊から粘着テープで剥ぎ取ったり、CVDで成長させるものですが、大きさが郵便切手くらいだったり、品質に問題がありました。これに対し、Hart准教授らは、フレキシブル基板上にR2R CVDのためのCT反応器を設計・製作し、グラフェン膜を成長させました。この方式は、グラフェンだけでなく、他の2次元材料やカーボンナノチューブの成長にも適用できるとしています。
http://newsoffice.mit.edu/2015/manufacture-continuous-rolls-graphene-0521
http://www.extremetech.com/extreme/206573-mit-researchers-pioneer-technique-for-mass-producing-graphene


塗って作れる太陽電池で変換効率10%を達成
〜分子配向に合わせて有機薄膜太陽電池を高効率化〜

<概要>
 理研創発物性科学研究センターの尾坂 格上級研究員、瀧宮 和男グループディレクター、北陸先端科学技術大学院大学の村田 英幸教授、JASRIの小金澤 智之研究員らの共同研究チームが、半導体ポリマーを用いる塗布型有機薄膜太陽電池の素子構造改善により、エネルギー変換効率を10%まで向上させることに成功したと発表しました。
<今後の展開>
 本研究で得られた知見により、OPVの変換効率を10%まで高めるための着眼点が明らかになり、今後、実用化の目安とされる変換効率15%に近づくことが期待されています。

http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150526_1/
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2015/150526/
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150526/index.html


ナノシリコンを発光体とする青白色LEDを、世界で初めて開発

<概要>
 広島大学自然科学研究支援開発センターの齋藤健一教授らの研究グループが、ナノシリコン(シリコン量子ドット、Si QD)を発光体とする青白色LEDの開発に、世界で初めて成功したことを発表しました。
<今後の展開>
 現在進めているSi QDおよびLEDの複数の異なる製法により、高強度、高効率を追求し、また、そのための構造や物性の研究を行うとのことです。この開発技術は、平面や曲面での照明、薄型のフレキシブルディスプレー、蛍光体などへの応用が期待されています。

http://www.hiroshima-u.ac.jp/news/show/id/22996/dir_id/0


◆イベント・セミナー等の紹介
■■JSTの産学連携支援プログラム『A−STEP』ステージVの公募のお知らせ

〜目指せ、事業化! イノベーションに本気で挑戦する貴社を応援します〜

科学技術振興機構(以下JST)は、科学技術イノベーションの創出に貢献することを使命としています。
そのJSTの産学連携支援プログラムの一つ『A−STEP』の公募のご紹介です。

A−STEPステージVの公募
『A−STEP』は、大学等の研究成果の実用化を目指し、課題解決型研究開発支援を行います。幅広い研究開発フェーズにある案件に対し、それぞれの案件のフェーズに合った支援をシームレスに進め、イノベーションの創出を狙っています。
 『A−STEP』ステージVは産学連携による開発の総仕上げ段階に相当します。
企業が応募し(シーズ所有者である大学等の了承が前提)、企業が開発を実施します。
異分野への挑戦、新しい事業を切り拓くようなことにもご活用いただけます。

公募締め切り:7月31日(金)正午
公募要領、申請書様式はA-STEPホームページからダウンロードできます。
http://www.jst.go.jp/a-step/koubo/index.html

<お問い合せ>
JST産学共同開発部 A-STEP 募集担当窓口
TEL:03-6380-8140 / FAX:03-5214-0017 / E-mail: jitsuyoka@jst.go.jp


■■NEDO「高強度・高耐熱部材に適用可能な三次元金属積層技術の研究開発に関する検討」に係る公募■■

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は調査事業「高強度・高耐熱部材に適用可能な三次元金属積層技術の研究開発に関する検討」の実施者を公募しています。

事業内容
 事業内容は、海外において採用事例が見られる、ガスタービン・航空機・自動車等の高強度・高耐熱部材に適用可能な三次元金属積層技術(いわゆる3Dプリンタ技術)について、金属粉末材料や三次元金属積層技術に関するヒヤリング調査や試作品の性能評価等を行い、現状の技術レベルの把握と課題の整理を進めて、大きな省エネルギー効果が期待されるガスタービンに代表される機器に適用する三次元金属積層部材の強度・使用温度向上に向けた研究開発計画の検討に必要な情報を収集するとしています。
注:公募期間:平成27年6月12日〜平成27年6月26日
  公募には、間に合いませんが、来春の成果発表が期待されます。
http://www.nedo.go.jp/koubo/DA2_100087.html



 nanobiz Magazine
 

◆【連載!神田のカルチェラタン】

 憲法前文と第9条


 6月21日のNHKの日曜討論で安全保障関連法案に関連して、自民党の稲田朋美政務調査会長は「自衛隊は違憲ですか」と民主党の細田豪志政策調査会長に質問し、細田氏は「違憲ではない」と答えていました。そのような議論を聞き、改めて、憲法の前文と第9条を読み直してみました。
 前文と第9条は深く関連していると思いますが、正直言って、よく分かりません。従って、今回はコメント・放言は差し控え、憲法の前文と第9条を引用して、コラムに代えさせて頂きます。この法案絡みで国会の会期が3か月も延期されるとのことですので、その間に代議士やマスコミ、憲法学者等の意見に左右されることなく、一国民としてじっくりと平和憲法を考えてみたいものです。
(編集長 馬田芳直)

▼憲法前文
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。

▼第9条
1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 

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