メルマガ nano2biz 第60号をお届けします。
今年はエノコロ草(別名:猫じゃらし)が例年以上に目につきます。雑草の世界にも当たり年があるのでしょうか、豊作の様です。ネットで検索すると犬の尻尾に似ていることから、漢字では「狗尾草」と書きます。イヌッコロ草が訛ってエノコロ草になったとありました。
粟や稗と同様に食べられるそうです。食べたことは無いですが、味、収穫の効率等も考え併せて、天変地異や戦争などの関係で食べなくてはならない時代が来ないことを祈っています。
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発行元:NBCI
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nano2biz News |
◆技術開発動向
■衣類のように柔らかく、しかも丈夫なトランジスタを開発
〜ハイヒールで踏んでも洗濯しても壊れない〜
<概要>
産業技術総合研究所ナノチューブ実用化研究センターCNT用途チーム 関口 貴子 主任研究員、田中 文昭 元産総研特別研究員は、衣類のように柔らかく、さまざまな負荷(伸縮、曲げ、ねじり、圧縮、衝撃)をかけても壊れないトランジスタを開発しました。 このトランジスタは、単層カーボンナノチューブ(単層CNT)、ゴム、ゲルといった柔らかい炭素系材料だけで構成されるため、負荷をかけると全ての部材が一体化して変形します。 <今後の展開> 今後はトランジスタだけではなく、柔らかいセンサーやエネルギーデバイスと統合することで、医療用の人体圧力分布センシングシステムなど、ヒューマンモニタリングシステムの開発を行う。これにより衣類のように身に付けることができ、身体に負担を与えない、人間に優しい電子デバイスを開発していくとのことです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150812/pr20150812.html
■赤外分光計測の飛躍的な感度向上に成功 〜人工的に作り出した暗闇で、分子を星のように輝かせて測る〜
<概要>
岡山大学大学院自然科学研究科(工)の石川篤助教と理化学研究所の田中拓男准主任研究員は、“光吸収メタマテリアル”と呼ばれる人工光学材料を開発。その表面に吸着した有機分子を、アト(10-18)モルレベルの高い感度で赤外分光計測できる技術を世界で初めて開発しました。 <今後の展開> 現在、赤外分光計測技術は、温室効果ガスや有害ガスを計測する環境モニタリングや呼気中のガス成分を分析し特定疾患との因果関係を調べる呼気診断に応用が進んでいます。本研究成果によって、本技術に基づく赤外分光センサチップの開発が進めば、計測技術の感度向上が見込まれ、環境モニタリングや呼気診断技術に貢献することが期待されます。
http://www.okayama-u.ac.jp/tp/release/release_id323.html
■世界初!パズルの要領で分子を並べ、新しい機能性色素を作る技術を開発 〜宝石のように光る有機発光体〜
<概要>
九州大学大学院工学研究院 分子システム科学センターの久枝良雄教授、小野利和 助教らの研究グループが、熊本大学大学院自然科学研究科の杉本 学准教授らと共同で、分子の自己組織化を駆使して「パズルの要領で分子を並べ、新しい機能性色素を作る技術」を開発したと発表しました。 <今後の展開> 本研究の成果で、自己組織化により、単に混ぜ合わせるだけで機能性色素の作成が可能なことが示されました。このような既存の材料は数多く存在するので、それらを組合せれば多くの新規な有機材料が得られる可能性があります。研究グループでは、今後、青色と黄色の発光色を足し合わせた白色光材料や、可視光以外の近赤外光発光材料への展開も検討しており、本研究で開発された手法は、重金属を含まず煩雑な有機合成も必要としないので、省エネルギーで環境負荷の低い工業技術に発展することも期待されるとのことです。
http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2015/2015_07_31.pdf
■3Dプリンターなどの感光材料の高感度化に成功-反応性高める新たな光酸発生剤を開発 〜半導体加工などを2倍以上高速化し省エネ化も進める〜
<概要>
奈良先端科学技術大学院大学物質創成科学研究科 光情報分子科学研究室河合壯教授らが、半導体加工技術や3Dプリンターなどに幅広く利用される感光材料の高感度化技術の開発に成功したと発表しました。感光材料は光を受けて発生した酸に反応し、その酸をつくる段階を高効率化する光酸発生剤を開発したものです。 <今後の展開> この技術を使うことで、LSI製造におけるフォトリソグラフィー加工、3Dプリンターの光造形加工等を2倍以上高速化する事が期待できるとのことです。また、今回実証した光酸発生剤は、光重合によるポリマー形成の他、ポリマーの光分解による光可溶化にも展開可能であることの原理を確認し、光反応効率は75%以上まで高めることが可能であることを見いだしているとのことです。
http://www.naist.jp/pressrelease/detail_j/topics/2082/
■光でナトリウムイオンを輸送するタンパク質の謎を解明 〜体内や環境中のイオン濃度を制御するツール開発に期待〜
<概要>
名古屋工業大学大学院の神取秀樹教授、井上圭一助教らのグループが、光のエネルギーを使ってナトリウムイオン(Na+)を細胞から汲み出す新しいタンパク質(ナトリウムポンプ型ロドプシン;NaR)について、謎とされていたNa+の輸送メカニズムの全体像を明らかにしたことを発表しました。 <今後の展開>
今回の発見をもとにタンパク質のNa+輸送を制御できれば、脳神経研究などの応用が可能になり、様々な脳神経疾患へ治療法の開発に寄与すると期待されています。
http://www.nitech.ac.jp/news/news/2015/3775.html
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150728/index.html
■置換困難な位置に選択的に官能基を導入する触媒反応を開発 〜医薬品や機能性材料の効率的な合成に期待〜
<概要>
医薬品や機能性材料を効率的に合成するためには、芳香環の特定の位置に官能基を導入する反応が必要となります。 東京大学 大学院薬学系研究科 國信洋一郎グループリーダー(准教授相当)、金井求研究総括らは、これまで置換困難だった芳香環の特定の位置に官能基を選択的かつ効率的に導入する独自の触媒を開発し、水素結合を用いる新たな反応機構を示すことに成功しました。 <今後の展開> 本研究により、水素結合と適切な長さの「架橋部位」を活用することで、これまで困難であった芳香環のメタ位に選択的にボリル基を導入するための触媒を設計する戦略を示すことができました。他の官能基を位置選択的に導入する反応や触媒が同様の戦略によって開発されることが期待されます。また、今回開発した反応機構を用いることで、新たな医薬品や機能性材料の開発や、より効率的な合成に寄与することが期待されます。
http://www.jst.go.jp/pr/info/info1122/index.html
■ゲルマニウム導入し光るダイヤを開発 〜バイオマーカーや量子暗号通信への応用へ期待〜
<概要>
東京工業大学 大学院理工学研究科の岩崎孝之 助教と波多野睦子 教授らの研究グループは、ダイヤモンド中の空孔、とゲルマニウムからなる新しいカラーセンターの形成に世界で初めて成功しました。 <今後の展開> ダイヤモンド中のGeVセンターは炭素とゲルマニウムからなる新しい原子レベルサイズの機能性構造であり、ダイヤモンドの特長である高い生体適合性を有する。さらに、発光強度が大きいことから、ナノダイヤモンド中へのGeVセンターの形成により、細胞内で退色しない安定な高輝度マーカーとして機能し、生体機能の解明や細胞レベルでの新しい診断技術につながる。さらに、均一な発光波長の単一GeVカラーセンターによって、量子暗号通信用光源への応用が期待されます。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150807/index.html
◆イベント・セミナー等の紹介
■■ファインセラミックスセンター設立30周年記念シンポジウム■■
『環境とエネルギーに貢献するファインセラミックス』と題して、著名な先生方に各専門分野における課題や将来展望について、わかりやすくご講演いただきます。
□開催要領
日時:2015年9月30日(水) 14:00〜17:40
場所:愛知県産業労働センター ウィンクあいち 2F大ホール
定員:400名【先着順、定員になり次第〆切】
参加費:無料
□プログラム
14:00〜 開会
14:05〜14:15 「設立30周年を迎えて」
JFCC材料技術研究所長 ナノ構造研究所長 高田 雅介
14:15〜14:55 特別講演 「環境浄化に向けて−セラミストのおもい−」
上海交通大学致遠講席教授・学長特別顧問・平野材料創新研究所長(名古屋大学元総長) 平野 眞一 氏
14:55〜15:35 特別講演 「サステイナブル社会に向けたトヨタのFCV開発の取り組み」
トヨタ自動車(株)材料技術開発部 部長 間瀬 清芝 氏
15:45〜16:25 特別講演 「ナノカーボン材料がおもしろい」
名城大学 大学院理工学研究科 終身教授 飯島 澄男 氏
16:25〜17:05 特別講演 「先進電子顕微鏡技術の現状と展望」
名古屋大学エコトピア科学研究所特任教授・JFCC客員主管研究員 田中 信夫 氏
17:05〜17:35 講演 「パワーデバイス用材料の結晶評価法の開発研究」
JFCC材料技術研究所 機能性材料グループ長 石川 由加里
□詳細及び申込:以下のホームページよりご確認、お申し込み下さい。
http://www.jfcc.or.jp/26_event/fcsymposium2015.html
■■情報統合型物質・材料開発イニシアティブ(MI2I)第1回フォーラム■■
物質・材料研究機構 (NIMS)では、データ科学的手法を物質・材料研究に取り込むことで新規材料の開発を加速し、産業イノベーションの創出につなげる戦略として、JSTイノベーションハブ構築支援事業に提案、採択され、新しい物質・材料研究を進めるオープンイノベーションのハブ拠点「情報統合型物質・材料開発イニシアティブ(MI2I)」を7月1日に構築し、このたび、当該ハブ拠点の紹介などを行う第1回フォーラムを下記のように開催することとなりました。
□開催概要
日 時 : 平成27年9月7日(月) 13時〜17時
場 所 : 一橋講堂 (東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター内)
対 象 : 企業、大学、研究機関の関係者等。一般参加も可。
参加者数 : 400名程度(定員になり次第、受付を終了させていただきます。)
参加費 : 無 料
参加登録:下記の「参加申込フォーム」からお申し込みください。
http://mi2i.nims.go.jp/forum/
■■第2回FIB実践セミナーの開催■■
文部科学省委託事業「ナノテクノロジープラットフォーム」の一環として、集束イオンビーム(Focused Ion Beam=FIB)実践セミナーを開催します。FIBはイオンビームをマイク口〜ナノメートル・サイズの大きさに細く絞り、任意の場所を加工したり、成膜したりすることができる技術で、TEM試料作製をはじめ、様々な微細加工のための技術として益々重要になっています。
▽FIB技術の基礎と装置メーカーからのそれぞれのFIB装置及び加工技術の特徴を一度に聞くことができます。
▽また、共用施設実施機関からも加工事例の紹介をしますので、より具体的なイメージを持つことができると思います。
▽このセミナーに併設して、実際の装置を使った実習プログラムも用意しています。産学官いずれのご所属の方にも、広くご参加をお待ちしております。
□開催要領
日時:2015年10月30日(金)12:55−17:00
場所:東京工業大学大岡山キャンパス西8号館10階
E情報理工学研究科大会議室
http://www.titech.ac.jp/maps/ookayama/campus/ookayama.html
参加費:無料
定員:100名(先着順)
セミナー申し込み案内:
https://nanoworld.jp/npf/training/h27-3/index.html
□プログラム
12:55-13:00 はじめに
産業技術総合研究所共用施設ステーション 多田 哲也
13:00-13:40 「集束イオンビーム(FIB)加工・観察技術の基礎)」
元株式会社日立ハイテクノロジーズ 石谷 亨
13:40-14:10 「FIB装置とその応用/最近のトピックス」
株式会社日立ハイテクサイエンス 大西 毅
14:10-14:40 「FIBによる試料作製から広がる様々なアプリケーション」
日本電子株式会社 門井 美純
14:40-15:10 「DualBeam装置と最新のアプリケーション」
日本エフイー・アイ株式会社ナノポートジャパン 完山正林
15:30-15:50 「事例紹介 −Orion NanoFab He/Neイオン顕微鏡を用いた多彩な支援−」
大阪大学ナノテクノロジー設備供用拠点 近田和美
15:50-16:10 「事例紹介 −Helios NanoLab600i によるFIB加工支援− 」
筑波大学構微細加工プラットフォーム 加藤一郎
16:10-16:30 「事例紹介 −XVision200DBを用いた多彩なFIB加工支援−」
物質・材料研究機構微細加工プラットフォーム 中島清美
16:30-16:50 「事例紹介 −FB-2100によるデバイス加工−」
産業技術総合研究所共用施設ステーション 飯竹昌則
16:00-17:00 「 微細加工プラットフォームの紹介」
微細加工プラットフォーム・コーディネータ 島本直伸
■■平成27年度実践セミナー 『Bio & 計測実践セミナー』■■
□開催要領
日時:平成27年9月18日(金) 12:55-17:30
場所:産業技術総合研究所つくば中央2-12棟第6会議室
参加料:参加費無料、定員100名
□プログラム
12:55−13:00
「はじめに」
産総研 共用施設ステーション 多田哲也
13:00−13:30
「電気化学的マイクロセンシングデバイスの新展開」
筑波大学 鈴木博章
13:30−14:00
「圧力駆動型マイクロ流体デバイスによる細胞培養と医薬品アッセイ」
産総研 創薬基盤研究部門 杉浦慎治
14:00−14:30
「疾病マーカー検出用マイクロセンシングデバイス」
産総研 バイオメディカル研究部門 栗田僚二
14:30−15:00
「細胞チップを用いた各種疾患診断技術」
産総研 生命工学領域研究戦略部 山村昌平
15:15−15:35
「液中AFMによるDNA観察」
産総研 NPF共用施設 山崎将嗣
15:35−16:05
「高解像度質量分析イメージング技術 ―形態観察と定性分析の融合―」
株式会社島津製作所 分析計測事業部 緒方是嗣
16:05−16:35
「2光子励起レーザー走査型顕微鏡」
オリンパス株式会社 光学システム開発部 山崎健太郎
16:35−16:45
「筑波大学共用施設の紹介」
筑波大学 鈴木博章
16:45−16:55
「ナノテクノロジープラットフォームの紹介」
微細加工プラットフォーム・コーディネータ 島本直伸
16:55−17:30
オーサーズインタビュー
17:30
閉会
https://nanoworld.jp/npf/training/h27-2/index.html
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◆【連載!神田のカルチェラタン】
団塊の世代とインフレ
当然のことですが、モノ余りだからデフレになり、モノ不足になればインフレになります。アベノミクスに関係なく、そうなります。 人口減少、特に生産年齢人口減少が見込まれています。労働の価値が上昇します。生産量が減り、物価が上昇します。 後3年ぐらい経って団塊の世代が70歳を超える様になればもっとハッキリすると思いますが、団塊の世代の労働市場からの退出は消費経済に大きな影響を及ぼすと考えられます。 日本人が日本人としての矜持を持って生きるには「生産性を高める」、外国人労働者の導入で量を追求するのではなく、少ない人数で高付加価値製品・サービスを増やして行くしかないと考えられます。
(編集長 馬田芳直)
nano2biz Magazine60号 カルチェラタン
〜団塊の世代とインフレ〜
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