64号 2015/11/6(金)

メルマガ nano2biz 第64号をお届けします。

 通勤途上の街路樹が黄緑、黄、赤とカラフルになってきました。紅葉は木の上の方から始まります。一斉に始まるのではなく、紅葉の進み方も個体差があるようで視線が空中を漂っています。
 上から始まる紅葉を見て、そういえば、「組織の劣化は上の方から、新しい芽は下からか」などと東アジア情勢や不祥事を伝えるニュースに想いを馳せながら歩いています。



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発行元:NBCI

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nanobiz News
◆技術開発動向
世界初 スーパーグロース・カーボンナノチューブの量産工場が稼働
〜日本ゼオン株式会社が量産開始へ〜

<概要>
 
NEDOプロジェクトの成果をもとに、産業技術総合研究所が開発したスーパーグロース(SG)法を用いたカーボンナノチューブ(CNT)の世界初の量産工場を日本ゼオン(株) が完成させ、稼働を開始しました。
<今後の展開>
SG法は高速・大量合成が可能であり、SG法で得られるCNTは、従来と比較して、高アスペクト比、高純度、大表面積といった特長を有し、従来にない機能や特徴を持つ新機能性材料、次世代デバイス等への応用が期待される材料です。高性能キャパシタ、高機能ゴム材料、高熱導電材料等の革新的材料やデバイスへ応用できることから、その需要拡大が見込まれます。

http://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_100481.html?from=nedomail


グラフェンナノリボンによる紫外光のテラヘルツ変調
〜テラヘルツ波発振素子の可能性をシミュレーション〜

<概要>
 産業技術総合研究所ナノ材料研究部門材料界面シミュレーショングループ 宮本 良之 研究グループ長と、中国 四川大学 Hong Zhnag教授、Xinlu Cheng教授、ドイツ マックスプランク 物質構造・ダイナミクス研究所 Angel Rubio教授は、グラフェンナノリボンが紫外光をテラヘルツ(THz)の周期で変調させる作用があることをシミュレーションで発見しました。この計算結果から、テラヘルツ波発振素子への応用を提案しています。
<今後の展開>
 今後は、実際に応用が期待されている0.5 THZから5 THZのテラヘルツ波を発生させる、グラフェンナノリボン以外の低次元材料を探索するとの
ことです。また、照射する光の波長も、紫外光領域から可視光、赤外光領域まで、より幅広い可能性を追求していく予定とのことです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20151027_2/pr20151027_2.html


呼気で肺がんのスクリーニング
〜健康管理のための呼気ガスセンシングシステムの開発〜

<概要>
 産業技術総合研究所無機機能材料研究部門電子セラミックスグループ 申 ウソク 研究グループ長、伊藤 敏雄 主任研究員は、フィガロ技研 株式会社と共同で、健康管理のための呼気ガス検知器を開発しました。
<今後の展開>
 今後は、呼気中水素ガスについては、あいち健康の森健康科学総合センターで得られたデータを解析し、水素ガス濃度と生活習慣や血液検査結果との関連を検討するとのことです。また、呼気中のVOCについては、本プロジェクトの一環として、広島大学において呼気成分解析による肝がんと歯周病の特徴を抽出する研究を行うとしています。
 肺がんのスクリーニング技術については、高度な統計解析を取り入れて肺がんと健常を判別するアルゴリズムを改良し、確度の向上を検証する予定とのことです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20151027/pr20151027.html


高品質・低価格でモノシリコンを育成できる新しい鋳造法「シングルシードキャスト法」を開発

<概要>
 物質・材料研究機構国際ナノアーキテクトニクス研究拠点(MANA)ナノエレクトロニクス材料ユニットの関口隆史グループリーダーと、九州大学 応用力学研究所の柿本浩一教授らの研究チームは、高品質低価格のモノシリコン育成法を開発しました。
<今後の展開>
 今回得られた成果は、シングルシードキャスト法という新しい鋳造法です。従来の鋳造法に比べ結晶の品質を飛躍的に向上することができ、シリコン太陽電池の効率化が期待されます。

http://www.nims.go.jp/news/press/2015/10/201510270.html


シリコン電極で挟んだナノスケール分子スイッチの実現と電気特性の画像化
〜半導体テクノロジーと分子エレクトロニクスの融合〜

<概要>
 筑波大学は数理物質系 重川秀実教授の研究グループが、走査トンネル顕微鏡(STM)の技術を駆使し、二つのシリコン(Si)電極で挟んだ分子の構造を精密に制御して、分子を流れる電流が変化する様子を測定し画像化する技術を開発し、この技術を用いることで、分子を伸縮させると電流値が急峻に変化する分子スイッチを実現したと発表しました。
<今後の展開>
 今後、様々な分子の系に適用することで、これまでに無い新しい分子機能の発現、創成など、新たな分子エレクトロニクスの分野を構築する基盤技術となることが期待されるとのことです。
https://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201501161800.html


色が分類できる光ナノアンテナの開発に成功
〜ナノサイズの光で虹を作る技術を開発〜

<概要>
 北海道大学電子科学研究所 笹木敬司 教授らが最先端超精密加工装置で特殊な形状に加工した金のナノ構造体(ナノアンテナ)によって、光を1万分の1ミリメートル(100nm)サイズまで絞り込むとともに、集光するナノスポットの位置を色によって自在に変化させて、ナノサイズの虹を形成する実験にはじめて成功したと発表しました。
<今後の展開>
 ナノサイズの空間での色の分離は、ナノ粒子や生体分子個々のスペクトル分析や化学反応・生命現象の解析を可能にし、超小型カラー撮像素子、波長多重通信用の光回路デバイス開発に役立つと期待されています。
http://www.hokudai.ac.jp/news/151005_es_pr.pdf


動くマイクロらせんで光を制御
〜MEMS技術を用いてテラヘルツ円偏光スイッチング素子を実現〜

<概要>
 東京大学大学院情報理工学系研究科の下山勲教授、東京大学大学院理学系研究科の五神真教授(現総長)、および同情報理工学系研究科の菅哲朗助教(現特任講師)、同理学系研究科の小西邦昭助教らの研究グループが、テラヘルツ(THz)光(波長は数百μm)の偏光状態を右円偏光と左円偏光に切り替えられる円偏光スイッチング素子の作製に成功したと発表しました。
<今後の展開>
 今後、本素子は、鏡像異性体を識別する円偏光フィルタに用いてたんぱく質の構造解析はじめ、薬学・医療分野への応用が期待され、さらに危険薬物などのコンパクトな分析機器実現にも役立つとされています。

http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/9535/
http://www.leopard.t.u-tokyo.ac.jp/press/20151001.html


カーボンナノウォールの電子デバイス応用に向けた電気的特性制御

<概要>
 名古屋大学・プラズマナノ工学研究センターでは、名城大学・平松美根男 教授、株式会社NUエコ・エンジニアリング・加納浩之 博士/代表取締役との共同研究により、カーボンナノ構造体の1種であるカーボンナノウォール(CNWs)の電気伝導特性制御に向けた、構造制御技術・不純物導入技術を開発しました。
<今後の展開>
 CNWsの電子物性において、窒素など不純物の状態制御によってドナー準位の導入と欠陥準位の不活化が独立に実現可能な事を示す結果であり、CNWsの電子デバイス応用の進展が期待されています。

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0008622313010634
http://iopscience.iop.org/article/10.7567/JJAP.53.040307/meta


◆イベント・セミナー等の紹介
■■四大セラミックス研究機関(東工大-名工大-JFCC-NIMS)合同講演会

〜「次世代を支える新材料開発と先端解析技術」〜
東京工業大学、古屋工業大学、物質・材料研究機構、JFCCの四セラミックス研究機関の合同講演会を開催いたします。

開催要領
日時:2015年12月11日(金)13:00〜17:20(交流会17:30〜)
会場:ファインセラミックスセンター2階研修室
参加費:無料(但し、交流会参加者:3000円 当日払)
申込締切:2015年11月27日(金) 定員80名
申込先:メールにて4cerameeting2015@jfcc.or.jpに連絡
問合先:JFCC研究企画部 安富義幸
(TEL:052-871-3500 専用e-mail:4cerameeting2015@jfcc.or.jp

プログラム:
・「2次イオン質量分析装置による酸化物中の軽元素分析を利用した材料中の格子欠陥の研究」
    坂口 勲氏(NIMS・環境・エネルギー材料部門)
・「高分解能電子顕微鏡法によるセラミック材料の評価」
    木本 浩司氏(NIMS・先端的共通技術部門)
・「電子線ホログラフィーによる機能性材料の電場,磁場の可視化」
    山本 和生 (JFCC・ナノ構造研究所)
・「光学式ひずみセンサのためのセラミックス蛍光材料開発」
    奥原 芳樹 (JFCC・材料技術研究所)
・「自己形成性を利用した高容量リチウム電池電極材料の作製」
    園山 範之氏(名工大・大学院工学研究科物質工学専攻)
・「放射光先端分析による知見を活用した車載用熱電変換材料の開発」
    宮崎 秀俊氏(名工大・大学院工学研究科未来材料創成工学専攻)
・「高圧合成法による酸化物の水素アニオン置換」
    松石 聡氏(東工大・元素戦略研究センター)
・「窒化物・酸化物の格子欠陥特性の高精度理論予測と物質探索への展開」
    大場 史康氏(東工大・応用セラミックス研究所)
詳細および申込⇒http://www.jfcc.or.jp/26_event/


■■
第4回CRAVITYシンポジウム

超電導エレクトロニクスは、高感度のセンサや検出器として実際に計測分析装置に搭載されており、次世代のデジタル回路として注目されています。 CRAVITYは、これらの超電導アナログ-デジタルデバイス開発のためのクリーンルーム施設で、広く共用公開されています。
今回のCRAVITYシンポジウムでは、3名の方々に招待講演とCRAVITYを活用した超電導研究成果についての紹介をさせていただきます。

開催概要
開催日:2015年11月19日(木)
開催場所:産業技術総合研究所 つくば中央第一 共用講堂 大会議室(地図)
主催:国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ナノエレクトロニクス研究部門
共催:つくばイノベーションアリーナ推進本部(TIA)、低温工学・超電導学会/超電導応用参加費:無料 、但し懇親会(会費制 1,000円)


▼3名の招待講演
・T. Lanting氏
量子アニーリングマシンを発売し、大きな話題を呼んでいるからカナダD-Wave社の超電導アニーリングデバイスの概要を紹介 
・W. Oliver氏
長年量子コンピュータの研究に携わりMITリンカーン研究所超電導クリーンルームで指導的立場にあり、量子情報応用に使用する超電導回路についての講演
・東大の中村教授
超電導回路を用いて世界で初めて固体量子ビットを実現したことで著名。超伝導回路を用いたマイクロ波量子光学について解説

▼CRAVITYを活用した超電導研究成果についての紹介

参加登録:11月12日(木)までに登録必要
 問い合わせ先:CRAVITYシンポジウム事務局
 電話: 029-861-5055
 E-mail: cravity-sympo2-ml@aist.go.jp
 
https://unit.aist.go.jp/neri/ja/event/index.html


■■平成27年度実践セミナー『薄膜実践セミナー』

〜文部科学省委託事業「ナノテクノロジープラットフォーム」の一環〜
当セミナーは、講演と実習プログラムからなります。

▼講演はスパッタリング法、原子層堆積法(ALD)について膜質と成膜条件の関係、プロセス開発と応用事例、膜質の評価技術などを紹介します。
対象:新しい薄膜材料の検討を始めたい方から、薄膜のデバイス応用に興味のある方まで▼実習にはNPFの装置を使用してSrTiO3強誘電体薄膜形成・熱処理と、結晶性・電気特性評価などを盛り込み、機能性薄膜開発の基礎的なスキルを獲得していただけるように期待しています。

開催概要
主催:産業技術総合研究所ナノプロセシング施設(NPF)
日時:2015年12月14日(月)12:55−17:40
場所:産業技術総合研究所つくば中央2-12棟第6会議室
参加費:無料
定員:100名(先着順)
セミナー申し込み案内:https://nanoworld.jp/npf/training/h27-4/index.html

【プログラム】
・「スパッタリング成膜技術の基礎 −膜質と成膜条件の関係−」株式会社アルバック超材料研究所
・「スパッタリング法による高圧電性ScAlN薄膜の作製 」産業技術研究所
・「スパッタリング法による光電変換材料としての遷移金属添加V族窒化物の成膜と特性 」京都工芸繊維大学
・「酸化物薄膜とエレクトロニクス応用 」東京大学
・「X線回折による薄膜評価技術」  株式会社リガク
・「原子層堆積法(ALD)による薄膜作成-プロセス開発と実施例-」株式会社エア・リキード・ラボラトリーズ
・「産総研共用施設で使うALDの魅力と実際」産業技術総合研究所
・「ポストシリコン材料へのゲート絶縁膜形成技術 」産業技術総合研究所
・「産総研共用施設制度のご紹介」産業技術総合研究所

お問合せ先:国立研究開発法人 産業技術総合研究所  つくばイノベーションアリーナ推進センター 共用施設運営ユニット・共用施設ステーションナノプロセシング施設
電子メール:tia-npf-school3@aist.go.jp


■■第2回 電池材料解析ワークショップ、最先端機器による解析講座開催

ナノ材料科学環境拠点(GREEN)は、JSTの次世代蓄電池研究加速プロジェクト(ALCA-SPRING)との共催で、下記の要領で第2回電池材料解析ワークショップを開催します。
今回のワークショップでは同プラットフォームの特色ある分析手法や最先端機器を取り上げ、これまでの活用事例や新たな技術開発への取り組みについてご報告いたします。また、このうちの幾つかの手法については翌日に、実習を交えた解析講座の開催も企画しています。
これらの場を利用して材料開発者と分析技術者が議論することで、電池材料の分析技術・解析技術の高度化を目指します。ワークショップまたは解析講座のどちらかだけのご参加も歓迎します。

開催概要
開催日時:
@ワークショップ:2015年11月18日(水)13:00-17:00
A解析講座   :2015年11月19日(木)10:00-15:30
会  場:NIMS 並木地区 WPI-MANA棟 オーディトリウム
参加費 :無料(懇親会費は有料)
主 催 :
物質・材料研究機構 ナノ材料科学環境拠点(GREEN)
科学技術振興機構 環境エネルギー研究開発推進部
先端的低炭素化技術開発 次世代蓄電池研究加速プロジェクト(ALCA-SPRING)
参加方法:https://business.form-mailer.jp/fms/a687aaf647453
申込締切:2015年11月11日(水)
http://www.nims.go.jp/GREEN/event/2015/20150928.html


NEDO「次世代構造部材創製・加工技術開発事業の周辺技術・関連課題における小規模研究開発の実施」に係る公募

概要
次世代構造部材創製・加工技術開発事業において、イノベーションの創出や技術のシーズの発掘を目的として、複合材開発における技術課題や周辺技術の研究開発の公募が始まっています。
事業期間:平成27年度〜平成28年度
対象:企業(団体等を含む)、大学等、 研究者・研究チーム
公募期間:平成27年10月20日〜平成27年11月10日
問い合わせ先:電子・材料・ナノテクノロジー部/ 担当者:伊藤、橘、後藤
FAX:044-520-5223
http://www.nedo.go.jp/koubo/EF2_100095.html



 nanobiz Magazine
 

◆【連載!神田のカルチェラタン】

移民と難民


 歴史的に日本からの難民が存在したのかと考えると、海に囲まれていたことから難民という選択肢はなかったのでしょう。思い浮かびません。精々、切支丹が迫害を受けて東南アジアに逃れたことぐらいでしょうか。それとて、大名か大商人などに限定されます。
我が国では「上に政策があれば、下に対策あり」か、嵐が過ぎ去るのをジーッと我慢するかでしょう。まあ、「上」にそれほどの悪党が居なかったともいえますが。
 (編集長 馬田芳直)


nano2biz Magazine64号 カルチェラタン
〜移民と難民〜

 

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101-0062 東京都千代田区神田駿河台一丁目8番地11 東京YWCA会館3
TEL:03-3518-9811(
代表) FAX:03-5280-5710

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