メルマガ nano2biz 第71号をお届けします。
道端や野原に春の七草を見つけることが難しい時代になりました。
セリ、スズナ(かぶ)、スズシロ(大根)はスーパーや八百屋でも売られていますが、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザなど、そもそもどの草がそう呼ばれているのか分からない方も多いでしょう。
天気の良い土日に、子供の図鑑でも借りて、探し歩いてみるのも一興かと思います。 それにしても時期外れの一月七日の七草粥の風習、無理があります。
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nano2biz News |
◆技術開発動向
■人工光合成技術でアンモニア製造
<概要> 北海道大学 三沢弘明教授と押切友也助教らは、水と窒素から光エネルギーを利用して常温、常圧でアンモニアを製造する人工光合成の新技術を開発したと発表しました。 <今後の展開>
新手法はエネルギーの変換効率が0.1%と低く、実用化には向上が課題とのことです。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO98102120W6A300C1TJM000/
■世界最高水準の標準ガスバリアフィルムを開発
~有機ELの長寿命化への貢献に期待~
<概要>
産業技術総合研究所工学計測標準研究部門圧力真空標準研究グループ 吉田 肇 主任研究員、化学プロセス研究部門蛯名 武雄 首席研究員らは、粘土とポリイミドを原料とする、極めてガス透過性が小さいバリアフィルムを用いて、水蒸気透過度が10-6 gm-2 day-1レベルの標準ガスバリアフィルムを開発しました。 <今後の展開> 標準ガスバリアフィルムを用いることで得られる信頼性の高い水蒸気透過度の測定は、有機ELディスプレイや有機太陽電池などに使われるハイバリアフィルムを評価する基準となり、これら製品の品質管理や長寿命化に貢献すると期待されます。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2016/pr20160303/pr20160303.html
■シリコンフォトニクスの画期的な光入出力技術を開発
~独自の表面垂直結合で光と電子の集積実装に向けて大きく前進~
<概要>
産業技術総合研究所電子光技術研究部門3次元フォトニクスグループ 榊原 陽一 研究グループ長、吉田 知也 主任研究員らは、従来難しいとされてきた、シリコン光集積回路への光ファイバーや光部品の表面実装を容易にする光結合技術を開発しました。 データセンター内外の短中距離大容量光通信や半導体チップ間信号伝送などの光インターコネクションへの応用が期待されています。
<今後の展開> 今回開発した技術は、ウェハ段階での検査用途に直ちに応用可能な特性を持っている。特に波長依存性、偏光依存性、入射角度依存性が小さいという特性は、検査技術の機構的許容度を大幅に増すので、検査用途から実用化を目指し、また、各種光部品の表面実装のための要素技術の開発も順次進めていくとのことです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2016/nr20160128/nr20160128.html
■原子の瞬間移動のサブ・ナノメートルの分解能での実時間観測に成功
~X線自由電子レーザー「SACLA」の有効性を実証~
<概要>
筑波大学 数理物質系の長谷 宗明准教授らの研究チームが、X線自由電子レーザー施設SACLA(SPring-8 Angstrom Compact
Free Electron Laser)を用いてX線回折実験を行い,記録型DVDや相変化メモリーの記録材料において、レーザー光照射により電子励起された原子の瞬間移動をサブ・ナノメートル以下の分解能で観測することに成功したと発表しました。
<今後の展開>
今回の観測結果は,相変化メモリー用記録材料における相転移が、ピコ秒の時間スケールでも起こり得ることを強く示唆し、電子励起を用いた超高速スイッチング相変化デバイスの可能性を期待させるものとのことです。
https://www.tsukuba.ac.jp/attention-research/p201602130000.html
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2016/pr20160213/pr20160213.html
http://www.spring8.or.jp/ja/news_publications/press_release/2016/160213/
■人工光合成の実現に向けた酸素発生触媒の開発に成功 ~植物に学ぶ触媒デザインで、植物の反応速度を大きく上回る~
<概要>
分子科学研究所(総合研究大学院大学 構造分子科学専攻)の正岡 重行准教授、近藤 美欧助教、総合研究大学院大学の岡村 将也博士課程大学院生らの研究グループが、植物の光合成より高効率に水から酸素を発生する鉄錯体系酸素発生触媒の開発に成功したと発表しました。 <今後の展開>
研究グループでは、今後、植物に学ぶ人工光合成触媒の最適化をはかり、高性能な触媒開発でエネルギーや環境問題の解決に貢献することを期待しています。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20160211/index.html
https://www.ims.ac.jp/news/2016/02/12_3396.html
https://www.soken.ac.jp/news/25370/
■大気中で安定的に取り扱うことができる二層シリセンの合成に成功 ~電子デバイスや二次電池電極材料への応用に期待~
<概要> 株式会社 豊田中央研究所の中野 秀之主席研究員らのグループが、シリコン(Si)が蜂巣格子状に組んで形成した一枚の原子シートであるシリセンから二層構造のシリセンを合成することに成功し、これが化学的安定性の高いナノシリコン材料であることを明らかにしたと発表しました。 <今後の展開> 今後、高速電子デバイスや電極材料への応用展開、自動運転車両の制御系への適用が期待されます。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20160205/index.html
http://www.tytlabs.co.jp/cms/news/news-20160205-1146.html
■グラフェンの超伝導化に成功 ~『質量ゼロ』の電子が『抵抗ゼロ』で流れる~
<概要>
東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)の高橋 隆教授および東京大学大学院理学系研究科の一ノ倉聖大学院生と長谷川 修司教授の研究グループが、グラフェンを超伝導にすることに成功したと発表しました。 <今後の展開> 今回のグラフェン超伝導化の成功は、グラフェンの基礎・応用にわたる広い研究・技術分野に大きなインパクトを与えるものであり、将来的には、超伝導グラフェンを集積演算回路に用いた量子コンピュータへの応用など、超高速・超伝導ナノ電子デバイスの開発がさらに進むものと考えられます。
http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2016/02/press20160204-01.html
■透明作物を短時間で作製する手法“TOMEI”の開発 ~作物の内部構造の解析やバイオマス定量解析が可能に~
<概要>
東京理科大学 理工学部 応用生物科学科 松永 幸大 教授、熊本大学 大学院自然科学研究科 澤 進一郎 教授、奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科
相田 光宏 特任准教授らの研究グループは、作物を短時間で透明化する手法TOMEIの開発に成功しました。 <今後の展開> 本成果により、植物の非破壊解析にかかる時間が大幅に短縮でき、作物の品質評価、品種改良、バイオマス定量解析、病害虫感染機構の解明など、農作物研究のスピードアップに大きく貢献することが期待されます。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20160229/index.html
■機半導体性分子の励起子挙動制御に成功 ~エキサイプレックスの人工制御~
<概要>
九州大学 最先端有機光エレクトロニクス研究センターの中野谷 一 准教授、安達 千波矢 センター長らの研究グループは、二種類の異なる有機分子間で形成されるエキサイプレックス型励起子(エキシトン)において、二分子間実空間距離ナノメートルオーダーで精密な調整をすることにより、励起子エネルギーや励起子寿命などの励起状態物性を精密に制御することに成功しました。 <今後の展開> 本研究成果は、有機光化学や有機光エレクトロニクス分野における新たな学術領域を創出し、有機発光デバイスにおける新概念のデバイス創出につながることが期待されます。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20160227/index.html
■グラフェンによる超潤滑現象の観察とメカニズム解明に成功 ~超低摩擦表面コーティング技術の実現に期待~
<概要>
バーゼル大学 物理学科の川井 茂樹 シニアサイエンティストは、炭素原子一層の薄膜であるグラフェンナノリボン(帯状構造)と金の表面間に生ずる超潤滑現象の観察ならびにそのメカニズム解明に世界で初めて成功しました。 <今後の展開> ナノ領域で部品間の摩擦力が極端に増すナノマシーンへの応用が期待されます。 将来的に、炭素薄膜を用いたコーティング材の実現により、部品同士の摩擦により発生する熱や磨耗が押さえられる、エネルギー損失を抑えた機械部品の実現につながることが期待できます。
http://www.jst.go.jp/pr/info/info1168/index.html
■超伝導ダイヤモンドを使った新高圧発生装置を開発 ~ヒメダイヤと組み合わせることで、超高圧下での電気抵抗測定が容易に~
<概要>
物質・材料研究機構 環境・エネルギー材料部門 ナノフロンティア材料グループ 高野義彦グループリーダーの研究グループと愛媛大学 地球深部ダイナミクス研究センター
(GRC) 入舩徹男センター長の研究グループは、金属のように電気を通す超伝導ダイヤモンドを、世界で一番硬く割れにくいナノ多結晶ダイヤモンド(ヒメダイヤ)
上に電極として微細加工することにより、新しいダイヤモンドアンビルセル (DAC) を開発しました。 <今後の展開> 今後は、本開発の DAC を用いて超高圧下の物性測定を進め、新超伝導体を始め新機能材料の探索を進めていく予定です。また、金属ダイヤモンド薄膜を微細加工し回路を作製する技術は、将来のダイヤモンドパワーデバイスの基盤技術でもあり、本開発は、日本が得意とする材料開発分野の発展に大きく貢献する新技術であると考えています
http://www.nims.go.jp/news/press/2016/02/201602220.html
◆イベント・セミナー等の紹介
■■日本を元気にする産業技術会議シンポジウム「“材料データマイニング”技術が生み出す新たな素材開拓スキーム」■■
~機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター設立記念シンポジウム~
産業技術総合研究所は、平成27年11月1日に「機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター」を設立しました。新センターの設立を記念して開催する本シンポジウムでは、同研究センターでの研究紹介に加えてセンターとの関連のある分野の方々を国内外からお招きし講演いただきます。
□開催概要
【日時】2016年3月17日 木曜日 13時00分 ~ 18時00分
【場所】コクヨホール
〒108-8710 東京都港区港南1-8-35
【主催】産業技術総合研究所/日本を元気にする産業技術会議
【参加費】無料、定員:300名
【申込方法】オンライン登録
【問い合わせ先】産業技術会議シンポジウム事務局 電話:03-6812-8685
https://www.aist-renkeisensya.jp/info/index.php?mode=detail&code=699
■■産総研公開シンポジウム■■
~オープンイノベーションで強みを増す超電導技術~
本シンポジウムでは、産総研を中心とした新たな研究開発体制をキックオフすると共に、オープンイノベーションの手法を取り入れた研究スキームを導入して、超電導による革新的なイノベーション創出を目指す取り組みをご紹介します。
□開催概要
【日時】2016年3月23日 水曜日 13時20分 ~ 17時40分
【場所】有楽町朝日ホール
東京都千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11階
【主催】産業技術総合研究所
【参加費】無料、定員:400名
【申込方法】Eメール
http://www.aist.go.jp/aist_j/news/event/ev20160323.html
■■「つくばプロモーションイベント ~イノベーション・エコシステム構築に向けて~」■■
~ "健康長寿 Biz-Seeds" 君はこのテクノロジーで未来をイメージできるか?~
文部科学省主催によるつくばプロモーションイベントを開催します。 筑波大学、産業技術総合研究所、物質・材料研究機構、農業・食品産業技術総合研究機構の研究者が、健康長寿に関連する技術シーズのビジネス価値提案を行うイベントです。 「つくば発スタートアップ企業によるプレゼン」と「アーリーフェーズのビジネスシーズのプレゼン」の2部構成で計9人の研究者からビジネスシーズの発表を行います。今までの成果発表会とは一味も二味も違う、本気度100%で技術説明があるとのことです。
□開催概要
【日時】平成28年 3月11日(金)12:30~18:00(開場12:00)
【場所】常陽銀行つくばビル10階大会議室(TXつくば駅より徒歩4分)
【参加費】無料 / 定員200名
【参加申込・詳細情報】http://www.sanrenhonbu.tsukuba.ac.jp/tecosystem/
□プログラム
▽基調講演Ⅰ 12:50~13:20
「睡眠覚醒の謎に挑む ~健康長寿イノベーションに向けて~」柳沢 正史 筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 機構長/教授
基調講演II 13:20~13:50
「今後の健康長寿ビジネスにおける注目点 ~平均寿命100歳超えに向けての取
り組み~」 横山 恭一郎 野村證券株式会社 投資情報部グローバル戦略課 エクイティ・マーケット・ストラテジスト
▽第一部 13:50~14:30 つくば発スタートアップ企業によるプレゼン
▽第二部 14:50~18:00 アーリーフェーズのビジネスシーズプレゼン
レセプション 18:30~19:30:(参加希望者のみ)会費3,000円
■■川崎市連携『4大学(慶應・早稲田・東工大・東大)ナノ・マイクロファブリケーションコンソーシアム シンポジウム』■■
~ナノ・マイクロ研究拠点における産学連携と先端活用事例~
□開催概要
【主催】産総研 ナノプロセッシング施設(NPF)、筑波大 微細加工プラットフォーム
【日時】2016年3月29日(火)13:00~17:10
【場所】創造のもり K2タウンキャンパス大会議室
川崎市幸区新川崎7-1 http://www.k2.keio.ac.jp/access/index.html
【参加費】無料(コーヒーサロン交流付き
【申込】参加ご希望の方は、
①企業名・ご所属②氏名③連絡先④見学会希望有無をご記入の上、
メールにて4dai-symp@4daigaku.comまで
【参照】http://open-labo.skr.jp/img/160329symp.pdf
□講演タイトル・講師:
・ICP-RIEによる化合物半導体エッチングプロセスを利用した デバイス応用 東京工業大学 量子ナノエレクトロニクス研究センター 助教 雨宮智宏 ・日本とドイツで進めるインダストリー4.0の事例 -オートメーション/IoT分野を中心として- ベッコフオートメーション株式会社 代表取締役社長 川野俊充様 ・秋田県立大学における木質系バイオリファイナリー研究 秋田県立大学 副学長 小林淳一様 ・装置メーカー企業による装置の特徴紹介
OXFORD INSTRUMENTS、SCIVAX株式会社 他
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