80号 2016/9/23(金)

メルマガ nano2biz 第80号をお届けします。

 暑かった夏もいくつかの上陸台風とともに過ぎ去り、気が付けばもうお彼岸です。台風で被害にあわれた方には、心よりお見舞い申し上げます。
 nano2biz NEWSは、今回で80回目のお届けとなります。
 引き続き、ナノテク関連の新技術、関連イベントが数多くアナウンスされておりますので、ご参考にしていただければと思います。




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発行元:NBCI

ナノテクノロジービジネス推進協議会


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nanobiz News
◆技術開発動向
水に応答して内容物を放出する新規の有機ナノカプセルを開発
~乾燥や有機溶媒に安定な均一サイズの水応答性カプセルが量産可能に~

<概要>
 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 機能化学研究部門 界面材料グループ 小木曽 真樹 主任研究員、丁 武孝 研究員らは、水に応答して薬剤を放出する新規の有機ナノカプセルを開発しました。
 このナノカプセル(直径100~150ナノメートル)は、アミノ酸誘導体と亜鉛化合物をアルコール中で混合するだけで簡便に製造可能で、製造時に薬剤などの内容物を一緒に混合しておくだけで、カプセル化と同時に封入できるとのことです。
<今後の展開>
 ナノカプセルは、水系溶媒では水による刺激に応答して構造が変化し、内容物を放出する。汗、雨水、海水などでぬれると内容物を放出する水応答性カプセルとして期待できるとのことです。
http://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2016/nr20160913/nr20160913.html


微細構造の毛細管力を利用した超高精細・厚膜印刷技術を開発
~透明性が高く応答の速いタッチパネルや、次世代装飾印刷への応用に期待~

<概要>
 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 集積マイクロシステム研究センター マルチスケール機能化表面研究チーム 穂苅 遼平 研究員、栗原 一真 主任研究員は、ナノインプリントとスクリーン印刷を融合し、従来と同じ印刷原版を用いて、原版パターンの1/30以下に細線化できる超微細印刷技術を開発したとのことです。
  低コストでナノメートルサイズの構造を成形加工できるナノインプリント技術により、従来の印刷技術では困難な高アスペクト比の厚膜印刷ができるとしています。
<今後の展開>
 この技術は近年注目されている自由曲面で透明なタッチパネルの配線への応用が期待でき、さらには次世代加飾技術などへの応用も期待されます。
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2016/pr20160912/pr20160912.html


計算・プロセス・計測による三位一体の研究開発体制の構築により「経験と勘」に頼らない機能性新材料の研究を加速
~民間企業16社が結成した先端素材高速開発技術研究組合(Hi-Mat)と産総研が共同研究をスタート~

<概要>
 国立研究開発法人 産業技術総合研究所は、計算科学を活用し機能性材料の開発期間の短縮を目指した共通基盤技術の開発を進める国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託事業「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクトのもと、材料系の16社が結成した技術研究組合である先端素材高速開発技術研究組合(Hi-Mat)と共同研究契約を締結し、集中研方式で共同研究をスタートすると発表しました。
 本共同研究では、計算科学、材料プロセス技術、先端計測技術の一体開発を行うことができる集中拠点を産総研(つくばセンター及び中部センター)に置き、先端素材高速開発技術研究組合とともに、新たな研究開発手法を導入し、機能性材料の試作回数や開発期間を大幅に短縮する新技術の創出を目指すとしています。

http://www.aist.go.jp/aist_j/news/pr20160909.html


超薄膜内にナノ粒子を同心円パターン状に配列させる新技術を開発
 ~ナノ物質の配列制御の新しい可能性光学デバイスやセンサ部品などへの応用に期待~

<概要>
 国立研究開発法人物質・材料研究機構 先端材料解析研究拠点 高輝度光解析グループの桜井健次グループリーダーと蒋金星 (ジアン ジンシン) ジュニア研究員は、超薄膜内にナノ粒子を同心円パターン状に配列させる新技術を開発することに成功しました。
<今後の展開>
  本技術は、集光光学部品など光学デバイスや、電子・磁気の機能によるセンサ部品などへの応用が期待されるとしています。

http://www.nims.go.jp/news/press/2016/09/201609060.html


産業技術総合研究所と理化学研究所が連携・協力に関する基本協定を締結 
 ~両機関の研究開発能力を活かし科学・産業技術イノベーションを強力に推進~

<概要>
 国立研究開発法人 産業技術総合研究所と、国立研究開発法人 理化学研究所は、先進的な研究開発や人材の交流・育成に関する連携・協力に関する基本協定を平成28年8月30日に締結しました。
 総合研究機関としての両機関が協力することにより初めて実現できる、世界初/世界一の技術の実現に向けた研究協力体制の構築を進めるとのことです。
 量子への理解を通じて生み出す新しい原理に基づくデバイス・システム、環境や資源などの制約を克服する新しいものづくりシステム、生命現象の解明による革新的な創薬・医療技術、超スマート社会を支えるサイエンス・テクノロジー・エンジニアリングの共同研究により科学・産業技術イノベーションを進め、文部科学省・経済産業省・総務省の三省連携の下で人工知能に関する研究も精力的に進めるとしています。

http://www.aist.go.jp/aist_j/news/pr20160830.html


糖アルコールからオレフィンを合成する触媒の開発 
 ~バイオマスからの高付加価値化成品製造に貢献~

<概要>
 東北大学および株式会社ダイセルは2016年8月25日、東北大学大学院工学研究科の中川 善直 准教授らの研究グループが、バイオマスから生産される糖アルコールを水素還元し、炭素-炭素二重結合を含む化学原料に高収率で変換する高性能触媒を開発したと発表しました。
<今後の展開>
 本研究によるバイオマス由来の糖アルコールからアリルアルコールやブタジエンのようなオレフィンへの変換は、工業的可能性のある初めての報告であり、今後は、企業と共同で工業化に向けた研究を進めるとしています。

http://www.tohoku.ac.jp/japanese/2016/08/press20160825-02.html


世界初!反転層型ダイヤMOSFETの動作実証に成功 
 ~省エネ社会に大きく貢献する究極のパワーデバイスの実現へ~

<概要>
 金沢大学、国立研究開発法人 産業技術総合研究、同 科学技術振興機構は2016年8月22日、金沢大学 理工研究域電子情報学系の松本 翼 助教らの研究グループが、産総研、株式会社デンソーの研究者と共同で、ダイヤモンド半導体を用いた反転層チャネルMOSFETを作製し、その動作実証に成功したとのプレスリリースを行いました。
 n型ダイヤモンド半導体層および酸化膜とダイヤモンド半導体層界面の高品質化を行い、室温において、ドレイン電圧5V、ゲート電圧12Vでドレイン電流12mA/mm、相互コンダクタンス0.5mS/mm、8.0cm2/Vsのチャネル移動度が得られたとのことです。
<今後の展開>
 今後は、MOS界面のさらなる高品質化による移動度の向上等、応用に必要な大電流化と高耐圧化を図り、日本発のダイヤモンドパワーエレクトロニクス産業の創出にも貢献したいとしています。

http://www.kanazawa-u.ac.jp/rd/39890
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2016/pr20160822/pr20160822.html
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20160822/index.html


◆イベント・セミナー等の紹介
ファインセラミックスシンポジウム2016

一般財団法人ファインセラミックスセンター(JFCC)では、毎年、ファインセラミックスの現状と将来動向に関するシンポジウムを開催しています。
 本年度は、『水素エネルギー社会の実現に向けて』と題し、最も注目されている水素について、そのエネルギー社会の実現に向け、製造、貯蔵・輸送、利用などのインフラ整備は現在どこまで進展しているのか、また、水素エネルギーの利用にセラミックス技術がどのように貢献しているのかを、わかりやすくご講演いただきます。

開催概要
日 時:
2016年10月7日(金)13:00~17:00
場 所:愛知県産業労働センター(ウインクあいち)5F小ホール
内 容:基調講演:「水素エネルギー社会」
  東京工業大学 先進エネルギー国際研究センター長 特命教授 柏木 孝夫 氏 など
参加費:JFCC賛助会員、学生、報道関係者:無料
    会員以外一般:1,000円(消費税込み:予稿集代)
定 員:200名
申 込: http://www.jfcc.or.jp/26_event/#16simpo
※参加申込締切:10月5日(水)
問合せ先:JFCC 研究企画部
 TEL:052-871-3500  E-mail:fcsympo2016@jfcc.or.jp



4大学ナノ・マイクロファブリケーションコンソーシアム■
『ナノ・マイクロ研究拠点における産学連携と先端活用事例』

開催概要
日 時:
9月28日(水)13:00~17:40
場 所:K2タウンキャンパス 大会議室
   〒212-0032 神奈川県川崎市幸区新川崎7-7「新川崎・創造のもり」

参加費:無 料
プログラム:
http://open-labo.skr.jp/img/160928symp.pdf
参加申込:
① 所属 ②ご氏名 ③連絡先を記載の上、メールにて申込
   4大学コンソーシアムシンポジウム事務局4dai-symp@4daigaku.com
4大学ナノ・マイクロファブリケーションコンソーシアム:
http://4daigaku.com/


■■新川崎・創造のもり/直近行事のご案内 ■■

◆ナノ茶論
創造のもりで定期開催している研究者・技術者向けの先端技術のサイエンスカフェです。
開催概要
日 時:
10月18日(火)15:00~17:00
会 場:日本アイ・ビー・エム(株)東京基礎研究所

発表テーマ:『コグニティブコンピューティング時代のハードウェア技術と応用へ向けた基礎研究』
詳細・お申込み:http://www.kawasaki-nanomicro.com/2016/08/17/nano/

◆金属
3Dプリンタセミナー
開催概要
日 時:9月30日(金)15:00~17:00
会 場:新川崎・創造のもり「NANOBIC」2階会議室
テーマ①:金属3Dプリンタによる超軽量セル(マイクロラティス構造)の開発
講 師:東京理科大学工学部機械工学科 牛島邦晴 准教授
テーマ②:AMはアドバンスド・マニュファクチャリングになった
講 師:NTTデータ エンジニアリングシステムズ 
    カスタマー&サービス事業本部
    アディティブ・マニュファクチャリング事業部 北田幸雄 氏
詳細・申込:http://www.kawasaki-nanomicro.com/2016/08/29/3dprint/



8回 TIAシンポジウム -新たなる領域へ-

□開催
概要 
主 催:TIA
日 時:2016年10月11日(火)13:00~17:15(12:30開場)
会 場:イイノホール&カンファレンスセンター 4階
    意見交換会: 17:30~19:00 Room A
参加費:講演会 無料(参加登録が必要です。) 
    意見交換会 会費制3,000円(参加登録が必要です。)
事前参加登録・プログラム詳細:https://www.tia-nano.jp/events/2016/0824.html
【登録締切】 2016年9月28日(水)定員になり次第、締め切らせて頂きます
 ※メールでお問い合わせ:
tia_info@tia-nano.jp



NIMS WEEK 2016

~あなたは見る ! 材料大進化~
 今年10月、NIMSは過去最大規模の学術&技術成果発表イベントを開催いたします。

□開催概要
日 時:2016年10月20日(木)・ 21日(金) 10:00~17:30(9:30受付開始)
会 場:東京国際フォーラム
    10/20(木) Innovative NIMS ホールB5
    10/21(金) Interactive NIMS ホールB7
入場料:無料 (事前登録制)
プログラム・講演内容等の詳細・参加申込:NIMS WEEK 2016特設サイトhttp://www.nims.go.jp/nimsweek/


標準化と品質管理全国大会2016

大会テーマ:ジャパンクオリティ―標準化で、世界をつなげる。

□開催概要
日 時:2016年10月6日(木)14:00~16:30、7日(金)10:00~16:20 
会 場:都市センターホテル(東京都千代田区平河町2-4-1)
参加料:ホームページにてご確認ください

http://www.jsa.or.jp/info_detail/zenkoku2016.html
パンフレット:http://www.jsa.or.jp/wp-content/uploads/SQzenkoku2016.pdf

企画協力:
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構

お問い合わせ先:一般財団法人 日本規格協会
標準化と品質管理全国大会2016事務局
電話:03-4231-8502 FAX: 03-4231-8650 E-mail: sq2016@jsa.or.jp


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