ナノ材料安全管理の必要性から、EUではナノ粒子のサイズ分布に基づき「ナノ材料」が定義され、この定義に該当する製品について規制が開始されています。また、フランス等でナノ材料の登録制度や表示の義務化(ナノラベリング)が開始され、OECDにおいては安全性試験のテストガイドライン策定の動きが始まっています。その一方で、工業粉体製品の粒子径分布の統一された測定法がないのが現状です。
そこで、NBCI社会受容・標準化委員会では、ナノ材料の観察・計測技術の一つに挙げられるSEM(走査電子顕微鏡)に着眼しました。SEM法は簡便・迅速に観察ができ、産業界で広く普及している手法であるためです。具体的には、チタ二ア、シリカナノ粒子を用いて、複数機関によるラウンドロビン試験を実施し、試料調整法から画像解析法まで、ベストプラクティスを検討し、この度、計測プロトコルを作成、公開することに致しました。事例を多く取り入れております。ご活用いただければ幸いです。
なお試料調整法に関してはナノ粒子が適度に分散された試料を用いることを前提としており、試料を観察用基板にセットする際に粒子が再凝集しないような調整法をプロトコルの対象としました。
「ナノ粒子粒径分布計測プロトコル」
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